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638、散歩 斗真side
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ベランダの隅にいると思ったら下を見ていたから驚いた。
頭に浮かんだのは「自殺」の一択だった。
だが、勘違いだったようで俺の反応により心を閉ざして隅に座ってしまった。
奏くんも空を見たり風にあったたりするのは好きだけど外を見たりはしなかった。
でも、響は車でも窓を開けて外を見ていた。
もしかしたらと思い、外に出ることを提案すると戸惑いながらも頷いてくれた。
奏くんと響は同じ人なのに好きな物も嫌いな物も違う、響は自分と奏くんは違うというけど本当に違う人みたいに感じる。
「行こうか。」
「コクリ、」
「携帯持って行くの?」
「…?」
左手にこども携帯を握っていた。
外に行く時は持って行くって思ってるんだろうな…、
まぁ何かあった時、連絡できるから持っていた方が安心だけど…
響は連絡手段としてではなく逃げれない鎖としか認識していない携帯を持って行こうとしていることにモヤッとした。
「携帯ちょっと貸して」
「?」
…、カメラ使えるんだ。
「写真撮りに行こうか。こうやってここを押したら写真が撮れるんだよ。撮ってみる?」
「…?、コクリ」
パシャッ!!
ビクッ!!
「撮れた?、ここ押したら撮ったの見れるよ。お!上手に撮れたね!」
響が初めて撮った写真は玄関に飾ってある奏くんが作ってくれた折り紙のお花だった。
「行こっか。」
「コクリ、」
ギュッ、
玄関を開けると裾を掴まれ不安が伝わる。
「大丈夫だよ。行こうか、」
裾を掴んでいた手をそっと撫でて手を繋ぐよう促す。
素直に手を繋いでくれた。
エレベーターに乗るとピッタリ体を引っ付ける。
エレベーターは怖いんだな。
俯いた響を見つめる。
エレベーターのドアが開くと手を引かれ外に出る。
狭い所が苦手なのか外に出るとホッとした表情をした。
「空、綺麗な色だね。」
「コクリ、明るい外2回目、」
「そっか、空が綺麗な日に散歩できて良かった。」
今まで夜しか外に出たことがなかったんだろうな。
口角は上がらないが空を嬉しそうに見ている。
「…しゃしん?…撮ってもいい?」
「良いよ。」
繋いでいた手を離し、さっき教えた通りに操作してカメラを空に向ける。
パシャッ!!
「…撮れた、」
撮れた写真を見せてくれた。
「上手!!凄い綺麗だね!!」
「……これなら夜でもお空見れるね。」
その言葉に胸がギューってなって目に涙が浮かんだ。
ダメだ、今は泣いちゃダメだ。
空を見上げ涙を堪える。
「そうだね。いつでも見れるね。また一緒に明るい時に散歩行こうね。」
「…コクリ、、ありがとう、」
響も涙で目がうるんでいた。
優しく包み込むように抱きしめ頭をそっと撫でると静かに涙が頬を伝った。
頭に浮かんだのは「自殺」の一択だった。
だが、勘違いだったようで俺の反応により心を閉ざして隅に座ってしまった。
奏くんも空を見たり風にあったたりするのは好きだけど外を見たりはしなかった。
でも、響は車でも窓を開けて外を見ていた。
もしかしたらと思い、外に出ることを提案すると戸惑いながらも頷いてくれた。
奏くんと響は同じ人なのに好きな物も嫌いな物も違う、響は自分と奏くんは違うというけど本当に違う人みたいに感じる。
「行こうか。」
「コクリ、」
「携帯持って行くの?」
「…?」
左手にこども携帯を握っていた。
外に行く時は持って行くって思ってるんだろうな…、
まぁ何かあった時、連絡できるから持っていた方が安心だけど…
響は連絡手段としてではなく逃げれない鎖としか認識していない携帯を持って行こうとしていることにモヤッとした。
「携帯ちょっと貸して」
「?」
…、カメラ使えるんだ。
「写真撮りに行こうか。こうやってここを押したら写真が撮れるんだよ。撮ってみる?」
「…?、コクリ」
パシャッ!!
ビクッ!!
「撮れた?、ここ押したら撮ったの見れるよ。お!上手に撮れたね!」
響が初めて撮った写真は玄関に飾ってある奏くんが作ってくれた折り紙のお花だった。
「行こっか。」
「コクリ、」
ギュッ、
玄関を開けると裾を掴まれ不安が伝わる。
「大丈夫だよ。行こうか、」
裾を掴んでいた手をそっと撫でて手を繋ぐよう促す。
素直に手を繋いでくれた。
エレベーターに乗るとピッタリ体を引っ付ける。
エレベーターは怖いんだな。
俯いた響を見つめる。
エレベーターのドアが開くと手を引かれ外に出る。
狭い所が苦手なのか外に出るとホッとした表情をした。
「空、綺麗な色だね。」
「コクリ、明るい外2回目、」
「そっか、空が綺麗な日に散歩できて良かった。」
今まで夜しか外に出たことがなかったんだろうな。
口角は上がらないが空を嬉しそうに見ている。
「…しゃしん?…撮ってもいい?」
「良いよ。」
繋いでいた手を離し、さっき教えた通りに操作してカメラを空に向ける。
パシャッ!!
「…撮れた、」
撮れた写真を見せてくれた。
「上手!!凄い綺麗だね!!」
「……これなら夜でもお空見れるね。」
その言葉に胸がギューってなって目に涙が浮かんだ。
ダメだ、今は泣いちゃダメだ。
空を見上げ涙を堪える。
「そうだね。いつでも見れるね。また一緒に明るい時に散歩行こうね。」
「…コクリ、、ありがとう、」
響も涙で目がうるんでいた。
優しく包み込むように抱きしめ頭をそっと撫でると静かに涙が頬を伝った。
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