こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

605、明日も歯磨き 奏side

斗真さんが僕の歯を磨いてくれた。
いつも歯ブラシを口に入れることや入れた時の感覚が嫌で恐怖と戦いながら時間をかけて歯を磨いていた。

でも今日は違った。
斗真さんが磨いてくれたから怖くなかった。
磨き終えても口の中も気持ちもスッキリしてて気持ちが良かった。

「斗真さん…」

「ん？どうした？」

ベッドで向かい合って横になってる斗真さんと目が合う。

「…………明日も…歯磨いてほしい。」

「いいよ。明日も磨くね。」

「ありがとう。」

「どういたしまして、磨かれるの怖くなかった？」

ｺｸﾘ
「怖くなかった。スッキリ気持ち良かった。」

「そっか、気持ち良かったか～、良かった」

明日も斗真さんが歯を磨いてくれると聞いて安心する。