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604、歯磨き 斗真side

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今日は色々あったな…

今は落ち着いて頭を撫でていたらそのまま寝てしまいそうだ。

歯だけ磨いて寝室に移動しようかな…

奏くんは歯を磨くのも怖いからまたパニックになるかな…
今まで自分で磨かせてたけど、俺が磨いても同じかな…人に磨かれたら余計怖いかな…どうだろう…

「奏くん、歯磨いてから寝ようか。」

「…っ………、コクリ、」

俺の服を掴む力が強まった。

「今日は俺が奏くんの歯磨いてもいい?」

「…………?」

「洗面所行こうか、」

洗面所に着き、怖がってはいないが緊張してる?

「歯磨きできる?できそうだったら口開けて、」

「………っ…………ゴックン、」

唾をのんで硬く閉じていた口をゆっくり開けてくれた。

顎を持ち少し開いた口の中に歯ブラシを入れる。
歯ブラシの異物感が嫌なのか眉間に皺がより目を逸らす。

奏くんがパニックになる前に素早く隅々まで優しく磨いていく。
こんなしっかり奏くんの歯見るの初めてだな…
1本1本が小さく綺麗な歯並びをしている。
素人の目で見るかぎり虫歯も見当たらない。
虫歯になるようなもの今まで食べてないもんな…
虫歯で苦しむこと考えたらそれが良かったのか…複雑な気持ちになる。

「綺麗になったよ。口ゆすごうか、」
コップに水を入れて渡すと上手にゆすいでくれた。

「どう?気持ち悪くない?」

コクリ、
「ありがとう。」

「どういたしまして、」

いつも恐怖と戦いながら歯を磨き、磨いた後はどっと疲れた顔をしていたが今日はスッキリした顔をしている。

パニックにもならず落ち着いて歯を磨くことができた。
こんなに変わるならもっと早く磨いてあげれば良かった。

俺も歯を磨き終え、一緒に寝室に向かった。
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