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594、まさかっ! 斗真side

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何を思ってるの…
また自分を責めてるってことだけは分かる。

このままだとまた自傷行為をしてしまうんじゃ…
どうしたら止められる…

「奏くん、」

「…、美味しいごはん作るね。」

「奏くん、ご飯の前にお話しよ。」

「…、フルフル、ごはん作る。」

「ちゃんとお話したい。」

「…何話すの?」

「奏くんが今思ってること、奏くん今自分のこと責めてるでしょ?」

「…、」

「奏くんは何も悪くないんだよ。だからちゃんとお話しよ。」

「……、フルフル、お話しない。」

「どうして?」

「…聞きたくない。」

「……、」

「斗真さんはいつも優しい嘘をつくから。」

「っ嘘じゃないよ。」

「フルフル、いいの。もういいの。」

「何がいいの?何も良くないよ。ちゃんと話そ、」

「フルフル、もういい。分かってるからもういい。」

「何も分かってないって!、何も良くない!」

異常なほど落ち着いてる奏くんに危機感を覚えた。
掴んでいないと静かに消えてしまいそうな感覚。

「斗真さんは優しいから、」

「違っ、…」

「僕ね、もう十分なんだ。十分幸せ。
 だから、…。」

「は?」


!!!!!

ガシャン!!!

包丁を持った奏くんの右手首を叩きシンクに包丁を落とさせた。

ビクッ!!!

奏くんは包丁が落ちた音と俺の鬼の形相に恐怖を感じ動けなくなっていた。


「怒ってるよ。」

「っ!、ごめんなさいっ、ごめんなさいっ!はぁっはぁっはぁっ…」

「今何しようとした?」

「………、」

「何しようとした?!!」

「……ごめんなさいっ…、」

「何しようとしたか聞いてんの!」

「…ゴックン…、終わりに……しようと…」

「…終わり、ハァー、…こっち来て、」

右腕を掴みソファーに座らせ救急箱を取りに行く。


「すー、はぁー、」
焦った……落ち着け……
奏くんの様子から自傷行為はすると思ったがまさか包丁を自分に向けて死のうとするとは思わなかった。
奏くんの精神状態からして怒るのは良くないと分かってるけど勢いで止めたこともあり焦って心配より怒りの方が強く出てしまった。
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