こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

神娘

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566、何この気持ち 奏side

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斗真さんが誰かを殴りたがっている…

…けど…斗真さんには誰も殴ってほしくない…

殴るなら僕にして…

僕でいいじゃん…

「奏くん?」

「…………」

「怒ってる?」

フルフル

「誰も殴らないよ?」

「……でも…殴りたいんでしょ………」

「…それは…さっきはそう思ったけど、もう殴りたいって思ってないよ。」

「………もういい、」

「奏くん、…」

斗真さんの言葉を聞きたくなくて寝室に入った。

何この気持ち…黒い気持ち…同じ黒でもいつもとどこか違う
ドロっとして絡み付いてくる感じ

怒ってはいない…
ただ…嫌だった…
僕がいるのに他の人を殴りたいって言ったのが嫌だった…
殴るなら僕にしてよ…自分の存在意義を誰かに奪われた気がした。
……その人に斗真さんを取られそう…

僕の得意なことは痛いことも苦しいことも我慢できること、
これは誰にも負けない。
それなのに…そんな僕を差し置いて斗真さんは誰を殴りたかったの。

僕を見てほしい…
他の人を見ないで……

斗真さんは僕のものなのに、

自分の醜い部分がどんどん表に出てくる

斗真さんは誰のものでもないのに…独り占めしたくて仕方がない…

こんな醜い自分だから斗真さんは僕じゃなくて他の誰かを選んだのかな…
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