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551、どうして同じごはん? 奏side

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「卵粥できたよ。机で食べようか、」

斗真さんの後ろをゆっくりついて行く。

「おいで、   いただきます。」

「…………、」

一緒に手を合わせるが頭が重たくて口が動かない…

「食べれそうかな?あーん、」

少量を乗せたスプーンを口元に持ってきてくれたが口を開けれず俯いた。
せっかく斗真さんがごはん作ってくれたのに……

「どうした?思ってることあるなら教えて、」

「………分からない……」

僕は勇気を振り絞って言葉にした。

「自分の気持ちが分からない?モヤモヤとも違う感じ?」

「フルフル、…斗真さん……が分からない………」

「え?俺が分からない?」

「……………どうして………みんなと同じごはんなの?」

「え…?…どうしてゴミじゃないの?ってこと?」

…コクリ、

「そりゃあっ、………食べてほしいから…かな?」

何か言いかけて言葉を変えたのが少し引っかかった。

「このごはんの方が体に良いし一緒に食べたらもっと美味しくなるから。
それに、奏くんいつも俺が作ったもの美味しいって言ってくれるでしょ?それ凄い嬉しいんだ。だから、同じごはん食べて美味しいって褒めてほしいんだ。」

美味しい……僕もごはん作って美味しいって褒めてもらったら嬉しい。
どれだけお父さんとお母さんに殴られてもたまにボソッっと言う「美味しい」の一言に僕の心は救われた。


「だからこれからも同じごはん食べてくれる?」

「コクリ、同じの食べる」

「ありがとう、食べれそう?無理しなくていいよ。」

「……食べる。   あー、ん」

ゴックン、

食べれた。すんなり喉が受け入れてくれた。

「美味しい、斗真さんありがとう。」

「どういたしまして。食べてくれてありがとう。」

お茶碗一杯分の卵粥をぺろっと完食した。
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