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550、食べたのに 奏side
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……………、…、
っ…
ムクッ…
斗真さんはまだ寝てる…
お外は真っ暗…まだ夜なんだ…
お腹空いた…
綿菓子食べたのにな、
そーっと斗真さんを起こさないようにベッドから降りて寝室を出る。
冷蔵庫の中を見てみる。
食べ物はあるけど…食べたらダメだよね…
食べていいものは…ごみ…これもバレたら怒られるから袋の音がならないようにそーっとしなきゃ…
斗真さんはちゃんと生ゴミは1つの袋にまとめて入れてくれてる。
ごみ箱の中から生ゴミの袋を見つけてそーっと開ける。
パクッ
この味久しぶり…苦くて堅い…
少し前に戻った感じがする…
モグモグ…
パチッ
「何してるの?」
?!!!!
電気がついて斗真さんが立っていた
バレたっ!!怒られるっ!!!
生ゴミが入った袋を握りしめ少しでも離れようと座り込んだまま床を蹴って下がるがすぐ背中に壁が当たりこれ以上下がれない。
「……っ!!ごめんなさいっごめんなさいっ!!」
斗真さんも少しずつ近づいてきて僕の目の前でしゃがんだ。
っ!殴られるっ!!
斗真さんの手が頭の上に来て咄嗟に頭を手で守る。
「叩かないよ。大丈夫、」
僕の頭を優しく撫でて抱き寄せた。
「これ食べたの?」
「………ごめんなさい……ごめんなさい…」
「謝らなくていいよ。謝らなくていいけど、うがいだけしようか。美味しくなかったでしょ、土もついてるし体に良くないよ。」
そう言ってコップに水を入れてくれた。
「うがいできる?口に入れてぐちゅぐちゅぺーって、」
言われた通り口に含んで吐き出した。
「上手、1杯だけ飲んどこうか。」
ゴックン、
「上手、偉いね。」
「…ごめんなさい…」
「怒ってないよ。大丈夫、でもちょっと心配だな…お腹痛くならないかな…お腹痛くなったら教えてね。」
……コクリ、
「お腹空いてたの?」
「………、フルフル」
嘘をついた。
本当はお腹すいて食べちゃったけど怒られるのが怖くて首を横に振って俯いた。
「夜、綿菓子しか食べてないもんね、何なら食べれそうかな。」
斗真さんは冷蔵庫を見ながら話しかけてくる。
でも僕は返事ができず俯いてじっとしていた。
「お粥なら食べれそう?」
返事をしない僕の目の前まで来てしゃがんだ。
「………、ごめんなさい…」
「怒ってないよ、大丈夫だよ。何食べたらいいか分かんなかったんだよね。」
抱きしめて気持ちを代弁してくれた。
「お腹が空いて何か食べるっていうのは悪いことじゃないよ。
でもね、ゴミ箱の中の物は体に良くないから食べないでほしいな。」
「……ごめんなさい…」
「冷蔵庫にある物だったら何食べてもいいから、次お腹空いた時は冷蔵庫にあるもの食べれる?そのままでも料理してもいいから、」
「…………、」
冷蔵庫の物……勝手に食べるのは………、
「……それは難しいか、じゃあ次からは俺の事起こして一緒に食べよ。」
……コクリ、
「約束ね、よし!じゃあ何作ろうかな~安定の卵粥にしようかな。」
勝手に食べたのに怒られなかった…
それに冷蔵庫の物食べていいって……どうして……
僕のお家でお母さんにゴミ食べてるのバレた時は凄い怒られた。
お腹が空いて夢中で食べてたら後ろから頭殴られて、ゴミを投げつけられた。
それでも僕にとっては貴重な食べ物でお母さんが離れてから必死でかき集めて食べた。
それしか食べ物が無かったから……
斗真さんのお家は違う……
どうして……僕もみんなと同じごはんを食べていいの?
っ…
ムクッ…
斗真さんはまだ寝てる…
お外は真っ暗…まだ夜なんだ…
お腹空いた…
綿菓子食べたのにな、
そーっと斗真さんを起こさないようにベッドから降りて寝室を出る。
冷蔵庫の中を見てみる。
食べ物はあるけど…食べたらダメだよね…
食べていいものは…ごみ…これもバレたら怒られるから袋の音がならないようにそーっとしなきゃ…
斗真さんはちゃんと生ゴミは1つの袋にまとめて入れてくれてる。
ごみ箱の中から生ゴミの袋を見つけてそーっと開ける。
パクッ
この味久しぶり…苦くて堅い…
少し前に戻った感じがする…
モグモグ…
パチッ
「何してるの?」
?!!!!
電気がついて斗真さんが立っていた
バレたっ!!怒られるっ!!!
生ゴミが入った袋を握りしめ少しでも離れようと座り込んだまま床を蹴って下がるがすぐ背中に壁が当たりこれ以上下がれない。
「……っ!!ごめんなさいっごめんなさいっ!!」
斗真さんも少しずつ近づいてきて僕の目の前でしゃがんだ。
っ!殴られるっ!!
斗真さんの手が頭の上に来て咄嗟に頭を手で守る。
「叩かないよ。大丈夫、」
僕の頭を優しく撫でて抱き寄せた。
「これ食べたの?」
「………ごめんなさい……ごめんなさい…」
「謝らなくていいよ。謝らなくていいけど、うがいだけしようか。美味しくなかったでしょ、土もついてるし体に良くないよ。」
そう言ってコップに水を入れてくれた。
「うがいできる?口に入れてぐちゅぐちゅぺーって、」
言われた通り口に含んで吐き出した。
「上手、1杯だけ飲んどこうか。」
ゴックン、
「上手、偉いね。」
「…ごめんなさい…」
「怒ってないよ。大丈夫、でもちょっと心配だな…お腹痛くならないかな…お腹痛くなったら教えてね。」
……コクリ、
「お腹空いてたの?」
「………、フルフル」
嘘をついた。
本当はお腹すいて食べちゃったけど怒られるのが怖くて首を横に振って俯いた。
「夜、綿菓子しか食べてないもんね、何なら食べれそうかな。」
斗真さんは冷蔵庫を見ながら話しかけてくる。
でも僕は返事ができず俯いてじっとしていた。
「お粥なら食べれそう?」
返事をしない僕の目の前まで来てしゃがんだ。
「………、ごめんなさい…」
「怒ってないよ、大丈夫だよ。何食べたらいいか分かんなかったんだよね。」
抱きしめて気持ちを代弁してくれた。
「お腹が空いて何か食べるっていうのは悪いことじゃないよ。
でもね、ゴミ箱の中の物は体に良くないから食べないでほしいな。」
「……ごめんなさい…」
「冷蔵庫にある物だったら何食べてもいいから、次お腹空いた時は冷蔵庫にあるもの食べれる?そのままでも料理してもいいから、」
「…………、」
冷蔵庫の物……勝手に食べるのは………、
「……それは難しいか、じゃあ次からは俺の事起こして一緒に食べよ。」
……コクリ、
「約束ね、よし!じゃあ何作ろうかな~安定の卵粥にしようかな。」
勝手に食べたのに怒られなかった…
それに冷蔵庫の物食べていいって……どうして……
僕のお家でお母さんにゴミ食べてるのバレた時は凄い怒られた。
お腹が空いて夢中で食べてたら後ろから頭殴られて、ゴミを投げつけられた。
それでも僕にとっては貴重な食べ物でお母さんが離れてから必死でかき集めて食べた。
それしか食べ物が無かったから……
斗真さんのお家は違う……
どうして……僕もみんなと同じごはんを食べていいの?
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