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518、希望の光 奏side
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真っ暗な世界の中
恐怖と痛みから逃れようと必死だった
ただひたすら怖くて泣き叫び抵抗した
もう恐怖で心が壊れそうになった時最後の望みで斗真さんの名前を口にした。
助けてほしい…
そんなこと有り得ないのに…
それでも…僕の唯一の光だった…
「奏くん、助けに来たよ。斗真だよ。」
っ!?!!
斗真さんの声が聞こえ、目が合った。
「っ!………………」
斗真さんがいる…
信じられなくて思考が停止したがすぐ安堵とさっきまでの恐怖が入り交じり抑えきれない感情が涙になって一気に溢れた。
「っ……っぅ…………………っ…………ぅ…………」
「もう大丈夫だよ。頑張ったね。」
「ぅ……ぅ……っぅ……………ぅ………」
「頑張ったね。おかえり、」
涙で息も上手くできず苦しくなる一方だがそれでも斗真さんがそばに居てくれてることが幸せで、
ずっとそばに居て欲しくて服を力いっぱい握りしめた。
「もう大丈夫だよ。ゆっくり息しようね。」
ゆっくり背中を撫でられるが呼吸は荒れる一方で頭が真っ白になっていく。
「っ!はぁ…はぁ…っんっはっ…はっ…はっはっぁ…」
「大丈夫、ここに居るからね。大丈夫だよ。」
口元にタオルを当てられ余計苦しくて体を捩るが抑えられて怖くなる。
「むり…くっるしぃ…はぁっはっはぁ…」
「苦しいね、でも大丈夫、絶対治るからね。ゆっくりでいいよ。」
強く抱きしめられ斗真さんの胸に顔を押し付ける。
苦しいっ…
頭が真っ白になりそうになりながらも深く息をすると斗真さんの匂いでいっぱいになる。
それを繰り返していると次第に呼吸がしやすくなっていった。
「上手だね。もう苦しくない?」
コクリ、
「手動く?」
少し痺れていたけど動かしていたら治っていった。
「奏くん、もう1回ギュー、」
さっきより優しく包み込むように抱きしめてくれた。
「頑張ったね、」
耳元で言われ、糸がプツんと切れた音がした。
ツーっと静かに涙が頬を伝う。
そんな僕の顔を優しい顔で見てまた優しく抱きしめてくれた。
涙が勝手に止まるまで静かな時間が過ぎていった。
恐怖と痛みから逃れようと必死だった
ただひたすら怖くて泣き叫び抵抗した
もう恐怖で心が壊れそうになった時最後の望みで斗真さんの名前を口にした。
助けてほしい…
そんなこと有り得ないのに…
それでも…僕の唯一の光だった…
「奏くん、助けに来たよ。斗真だよ。」
っ!?!!
斗真さんの声が聞こえ、目が合った。
「っ!………………」
斗真さんがいる…
信じられなくて思考が停止したがすぐ安堵とさっきまでの恐怖が入り交じり抑えきれない感情が涙になって一気に溢れた。
「っ……っぅ…………………っ…………ぅ…………」
「もう大丈夫だよ。頑張ったね。」
「ぅ……ぅ……っぅ……………ぅ………」
「頑張ったね。おかえり、」
涙で息も上手くできず苦しくなる一方だがそれでも斗真さんがそばに居てくれてることが幸せで、
ずっとそばに居て欲しくて服を力いっぱい握りしめた。
「もう大丈夫だよ。ゆっくり息しようね。」
ゆっくり背中を撫でられるが呼吸は荒れる一方で頭が真っ白になっていく。
「っ!はぁ…はぁ…っんっはっ…はっ…はっはっぁ…」
「大丈夫、ここに居るからね。大丈夫だよ。」
口元にタオルを当てられ余計苦しくて体を捩るが抑えられて怖くなる。
「むり…くっるしぃ…はぁっはっはぁ…」
「苦しいね、でも大丈夫、絶対治るからね。ゆっくりでいいよ。」
強く抱きしめられ斗真さんの胸に顔を押し付ける。
苦しいっ…
頭が真っ白になりそうになりながらも深く息をすると斗真さんの匂いでいっぱいになる。
それを繰り返していると次第に呼吸がしやすくなっていった。
「上手だね。もう苦しくない?」
コクリ、
「手動く?」
少し痺れていたけど動かしていたら治っていった。
「奏くん、もう1回ギュー、」
さっきより優しく包み込むように抱きしめてくれた。
「頑張ったね、」
耳元で言われ、糸がプツんと切れた音がした。
ツーっと静かに涙が頬を伝う。
そんな僕の顔を優しい顔で見てまた優しく抱きしめてくれた。
涙が勝手に止まるまで静かな時間が過ぎていった。
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