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508、ここまでのパニックは 斗真side

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リビングのソファーに座り奏くんを膝に乗せて抱きしめる。

いつも以上に大人しい、

「...ごめんなさい」

手首の包帯をそっと撫でてて謝った。

「いいよ。怒ってないからね。」

何度も「ごめんなさい」と言われる。


袖で包帯を隠し頭を撫でた。


いくら「いいよ」って許しの言葉を言っても奏くんは自分を許せないことは分かってるけどそれでも何度も「いいよ」と返した。

きっと他の人格が切ったと伝えてもその人格を責めることはしないと思った。
何かしらの理由をつけて自分を責めるだろう。



「はぁ...はぁはぁ...はぁはぁ...」

「奏くん?大丈夫だよ。怒ってないよ。」

息が乱れ涙が止まらない。
そしてキョロキョロ辺りを見渡す。

「奏くん?どうした?」

「...ぃや...ごめんなさい...ごめんなさい!嫌!!!」

急に大声で叫び全身を震わせ耳を掴む。

「奏くん、大丈夫だよ。斗真、奏くんの体押さえつけて。」

「え...分かった。」

パニックを起こした奏くんを押さえつけ透に注射を打ってもらう。

押さえつけると余計怖くなって暴れるが力ずくで押さえる。

「終わったよ。頑張ったね、もう少しで怖くなくなるからね。大丈夫だよ。」

透に頭を撫でられるが怯えたまま聞こえていない。

「効いたら落ち着くからそしたら今日はもう寝よう。」

「分かった、ありがとう。」


「嫌!!!あああああああ!!!」

「怖くないよ。大丈夫、ここに居るからね。」

「あああああああ!!!!あああああああ!!!!」

「怖くないよ。大丈夫、大丈夫だからね。」

ここまでのパニックは初めて起きた。
幻聴、幻覚が起きているのか耳を塞ぎ怯えた目で辺りを見る。

俺達も親や客に見えてるのか...








数分後、
薬が効いたのか落ち着いてぼーっとしている。

「...斗真さん...どこ...」

「ここに居るよ。もう怖くないからね。」

手を握り背中を撫でると安心したのか落ち着いた寝息に変わった。
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