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492、奏くん、ごめんなさい。斗真side

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「奏くん、ごめんなさい。
奏くんを傷付けた大人たちが全部悪かった。
本当にごめんなさい。」

……反応がない。
でも俺には謝ることしかできない。
ぐったりとする奏くんを強く抱きしめて何度も謝った。

「本当にごめんなさい。」

ビク……

かすかに体が動いた。

「奏くん?聞こえる?」

ッ……

「奏くん、ごめんなさい。辛い思いさせてごめんなさい。」

「っ……っぅ……」

「ごめん、もう1回言って、」

「ちがう…………」

「違う?」

「斗真さん……ごめん違う………………悪い違う……」

「そう思ってくれるのは嬉しいけど、俺も奏くんのこと傷付けてたと思う。
奏くんは覚えてないかもだけど、今回手首切ったのも俺の邪魔したって自分を責めて耐え切れなくて手首切っちゃったんだよね。
ちゃんと気持ち分かってあげれてなかった。辛い思いさせてごめんなさい。」

「……違う…………僕が悪いの」

「奏くんは何も悪くないよ。子どもは甘えるのが仕事って言ったのに甘えずらかったよね。ごめんね、」

「ごめん違う……」

「うーうん、今回は俺が悪かった。ごめんなさい。」

「……違う……」

「奏くん、許してくれる?」

「…………うん…………でも……僕も悪くて……切ってごめんなさい。」

「いいよ。
おかえり、これからも奏くんと一緒に過ごしたいな。」

「………………」

「奏くんが体もう要らないって言ったって聞いてすごい辛かったし怖かった。」

「ごめんなさい。」

「怒ってないよ。
また奏くんに会えて嬉しい。戻ってきてくれてありがとう。」

まだ少しぐったりしている奏くんの体を抱きしめる。

「リビング行こう。母さんと透が待ってるよ。」

「……美香さんと透さん……いるの?」

「うん、病院から一緒に帰ってきたんだ。」

「…………、」

なんか反応が薄い、もしかして

「病院いたことは覚えてる?」

「……ちょっとだけ……」

「そっか……」

記憶が少し抜けてるのかな……
不安に感じつつ奏くんを抱き上げリビングに向かった。
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