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490、誰 斗真side
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家に着いてソファーに座らせた。
話し掛けても全く反応を示さなくなった。
起きてるんだけど、ぼーっとしている。
「解離?」
「分からない。」
透にも分からないらしい。
ムクッ!
「えっ!奏くん?どこ行くの?」
急に立ち上がり行ってしまった。
後ろを付いて行ってみると洗面所に着いた。
様子を伺っていると引き出しを全て開け中を探り出した。
「何か探してるの?」
ゆっくりと振り向き目が合う。
……誰、
奏くんじゃないことはすぐに分かった。
奏くんより幼くて表情が穏やかだ。
「ない」
「カミソリはもう無いよ。」
「どこ」
「どこにも無いよ。」
「返して」
「返さない。奏くんのじゃないでしょ。」
「カッター返して」
奏くんのカッターは確かに俺が持ってるけど、実家に置いてきたし返す気はない。
「ごめんね、カッターは返せない。」
「なんで」
「返したらまた切っちゃいそうだから、だから返せない。」
「あれが無いと終われない。」
「終わるって?」
「奏もう終わり」
「死ぬってこと?」
「うん、だってもうこの体要らないってあげるって
僕も要らない。だから終わり。」
…………ほんとに奏くんが言ったの?
あれだけ体の所有者を気にしてた奏くんが体要らないって言ったのか?
「……君は奏くんの何なの?」
「知らない。」
「響は?」
「知らない。僕、奏しか知らない。」
「…………」
どうしたらいい、このままだと本当に殺されそう。
止めなきゃ、
奏くんを返して、
話し掛けても全く反応を示さなくなった。
起きてるんだけど、ぼーっとしている。
「解離?」
「分からない。」
透にも分からないらしい。
ムクッ!
「えっ!奏くん?どこ行くの?」
急に立ち上がり行ってしまった。
後ろを付いて行ってみると洗面所に着いた。
様子を伺っていると引き出しを全て開け中を探り出した。
「何か探してるの?」
ゆっくりと振り向き目が合う。
……誰、
奏くんじゃないことはすぐに分かった。
奏くんより幼くて表情が穏やかだ。
「ない」
「カミソリはもう無いよ。」
「どこ」
「どこにも無いよ。」
「返して」
「返さない。奏くんのじゃないでしょ。」
「カッター返して」
奏くんのカッターは確かに俺が持ってるけど、実家に置いてきたし返す気はない。
「ごめんね、カッターは返せない。」
「なんで」
「返したらまた切っちゃいそうだから、だから返せない。」
「あれが無いと終われない。」
「終わるって?」
「奏もう終わり」
「死ぬってこと?」
「うん、だってもうこの体要らないってあげるって
僕も要らない。だから終わり。」
…………ほんとに奏くんが言ったの?
あれだけ体の所有者を気にしてた奏くんが体要らないって言ったのか?
「……君は奏くんの何なの?」
「知らない。」
「響は?」
「知らない。僕、奏しか知らない。」
「…………」
どうしたらいい、このままだと本当に殺されそう。
止めなきゃ、
奏くんを返して、
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