こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

485、反応がない奏くんと 斗真side

「落ち着くまでここにいて落ち着いたら帰ろうか、」

「入院はしなくていいの?」

「うん、本当はしてほしいけど入院する方が精神的な負担が大きいから入院はしなくていいよ。
その代わり今日みたいなことが続くようなら入院も考えなきゃいけなくなるかも。」

「……分かった。」

後悔と不安で胸が痛い……
透は何も言わずそっと俺の肩に手を置いた。
抑えていた気持ちが溢れそうになりグッと涙を堪える。



コンコン、
「はい、」

ガラッ

「遅くなってごめん、」

母さんが来てくれた。

「奏くんの様子は?」

「傷は5針縫って今は落ち着いてます。問題は傷より心の方で…ショックが大きかったのか今は反応ができない状態です。
時間が経てば少しずつ落ち着くと思うんですけど…そこは俺にもなんとも…」

「そう…傷は大丈夫そうで良かった。奏くん、美香よ。聞こえるかな？私も斗真も透くんも皆そばに居るからね。大丈夫だからね。」

母さんは奏くんの目線までしゃがみ奏くんの頭を撫でるが、奏くんはベッドで俺の上に乗って凭れかかったまま動かない。