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484、傷…… 奏side

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「包帯外すね、痛かったら教えてね。」

……

優咲さんが左腕の包帯を解いていく。
気になってそれを眺めていると、何針も縫われた腕が出てきた。
想像していた以上に酷かった。

これ……僕がしたの?


「痛い?大丈夫?」

……

何か言われてるのは分かってるけど頭がボーっとして反応できない。
腕から目を離せずずっと見つめている。

「消毒するね、痛かったら教えてね。」

痛いかどうかも分からない……

「終わったよ。
毎日優しく石鹸で洗って消毒してから軟膏を塗ってガーゼを置いてから包帯をしてあげてください。」

「はい、分かりました。」

斗真さんと優咲さんが何か話してる……

「では、私はこれで、何かあったら言ってください。」

少し透さんと話してから優咲さんは部屋を出た。


「奏くん、見える?」

透さんが僕の目の前で手を動かす。

見えてる。
見えてるけど頷けない。

体が言うことを聞いてくれない……
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