こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

474、ぐるぐる 重たい 奏side

自分の気持ちが分からない。

ぐるぐるして頭が重たい

ぼーっとする。

普通でいようとするのに思い通りに体が動かず斗真さんにくっ付いていた。
気が付いたら昼食が完成していて何もできなかった…

斗真さんに今の気持ちを聞かれるも答えれず『分からない』のカードを渡した。

どうしたらいいかも分かんない。

怖いわけでもしんどいわけでもないのに、心がいっぱいになって抑えきれず涙が溢れた。

床に座り込んで泣きじゃくる僕をそっと抱きしめて落ち着くのを待ってくれていた。


15分ほど大泣きしてやっと涙が止まった。

涙が止まっても心は晴れずずっと渦を巻いている。

「落ち着いた?頭痛くない?」

………ｺｸﾘ、

「お昼ご飯食べれるかな?難しい?」

「………食べたい……」

「うん、食べようか、」

椅子に座るといつもより少なめのご飯をよそってくれた。

「食べれるだけで良いからね。」

ｺｸﾘ、

一口ご飯を口に入れる。

美味しい、

しっかり味わって食べ進めていく。


「無理しなくて良いからね。ゆっくりでいいよ。」

斗真さんの手がそっと僕の頬に触れたその手は濡れていて、無意識に涙を零していたことに気がついた。
慌てて手で涙を拭う。