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462、お風呂どうやったら怖くない? 奏side

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斗真さんは僕に汚くないって言ってくれた。
それでも僕は自分の体が汚くて醜く感じる。
だからお風呂に入りたい。なのに体は言うことを聞いてくれない。

「何が怖いか教えてくれる?」

「…お水」

「シャワーも怖い?」

「…温かいのは怖くない…けど、触るまで怖い」

「そっか、他にはある?」

「お水ためるとこ」

「湯船?蓋してても怖い?」

「…怖い…」

「そっか…他には?」

「裸怖い…」

「裸かぁ…脱衣所も裸になるのが怖い?」

「…コクリ」

「そっか……」

怖いことを伝えると黙り込んでしまった。
困らせちゃった…お風呂は裸にならないと入れないしお水も絶対ある。
我慢しなきゃいけないことなのに…
怖いってわがままだ…

「ごめんなさい…」

「謝ることじゃないよ、怖いのは仕方ないよ。どうしたらいいか一緒に考えようね。」

「………コクリ」

「うーん、シャワーは温かいって分かったら怖くないんだよね…湯船は…いっそのこと浸かってみる?浸かってみて怖くなかったら克服できたりするかな…荒手過ぎかな…」

「つかる?」

「ん?湯船に浸かる。入ってみる?ってこと。まずはお湯少なめで腰までだったら怖くない?」

????

浸かる?腰まで?
湯船は顔を入れるとこでしょ?

「えっと…湯船の使い方知ってる?」

「知ってる。お水入れて顔入れてぶくぶくする。」

「っ…分かった。えっと、湯船は顔は入れないしぶくぶくもしない。」

「え?」

「湯船は温かいお湯を入れて肩から足までを入れて、体を温めるとこ。…奏くんが言ってるそれはお家でさせられてたの?」

コクリ
「お腹洗った後にぶくぶくしたり、お金貰えなかったらぶくぶくする。」

「お腹だけ洗うの?」

「お仕事の前にお腹の中洗うの、じゃないとうんち出ちゃうから…」

「ぁっ、ごめん、そういうことか。ごめんね、思い出したくないことだったね。」

フルフル
「大丈夫。ぶくぶくする時は僕が悪いことした時だけ…お腹洗う時に泣いたり、お仕事中に泣いてお金貰えなかったり…僕が悪い。」

「うーうん、それは違う。奏くんは何も悪くないよ。お腹洗うの嫌だったね。痛かったんだよね。お仕事も辛かったね。」

「悪くない。辛かったね。」と、何度も繰り返し言ってくれた。

当たり前だと思っていたことが本当は違うかったってことが斗真さんに会ってから沢山ある。

自分が悪いから仕方がない。僕が悪い子だからお風呂でお仕置されるんだってずっと我慢してきたのにそれも間違ってたんだ…

「湯船に浸からなくていいから湯船に入浴剤入れて遊んでみる?」

「にゅうよくざい?」

「ちょっと待ってて。」

お風呂に走って行ってしまった。
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