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439、水が怖いわけ 奏side
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沢山泣いたら心に溜まってたものが涙と一緒に流れてスッキリした感じがする。
心が軽くなってザワザワしてたのもなくなった。
「お水飲める?」
「………フルフル…」
落ち着いたけどさっきの余韻はあって水は怖かった。
……飲みたくない……
見たくない……
我儘なのは分かってるけど、心も体も両方が拒絶している。
「何も入ってないよ?ほら、大丈夫だよ?」
斗真さんは飲んで見てせくれたけど怖くて見ることもできず俯いた。
何も入ってないのは分かってる。
斗真さんが水に薬を入れないことも分かってる。
今は薬が怖いんじゃない…そう伝えたいのに喉がキューってして上手く話せない。
「……っ……」
「うーん、じゃあゼリー食べる?」
冷蔵庫から袋に入ったゼリーを持ってきてくれた。
「みかん味、食べてみる?」
「……コクリ」
キャップを開けてくれた。
「ここ咥えて、横をぎゅーって押してみて、」
こう?
「っ!!ツルンッ」
「食べれた?」
「ん、美味しい。」
「良かった。お水難しかったらこれでもいいからね。」
「……ありがとう。」
僕の好きなみかんの味。
美味しい。
僕のために買ってくれてたのかな?
袋に入ってて中身も見えないし、ツルんって食べれて美味しい。
夢中で食べてたらあっという間に全部食べてた。
「ごちそうさまでした。」
「うん、偉いね。」
「……お水飲む。」
「飲める?」
っ……
コップに入った水を見るとやっぱり怖くて喉が狭くなる。
それでも、さっきのゼリーは食べれたからきっと飲める。
唾を飲んで、ゆっくりコップを傾ける。
「ゴックン……っは……飲めた。」
「飲めたね!頑張ったね。」
コクリ
「悪いものは何も入ってないからね。」
フルフル
「……違う……」
「ん?」
「怖いの薬違う……さっき苦しくなってお水の中でぶくぶくしたから……それで……それで……」
「そっか…分かった。もう大丈夫だからね。、フラッシュバックが起きてたんだね。怖かったね。」
「……今は怖くない。」
「そっか、良かった。でも、もう少しだけこのままギューってしておこうか。」
コクリ
斗真さんが理解してくれてギューってくれたから僕も斗真さんの背中に手を伸ばしてギューってした。
心が軽くなってザワザワしてたのもなくなった。
「お水飲める?」
「………フルフル…」
落ち着いたけどさっきの余韻はあって水は怖かった。
……飲みたくない……
見たくない……
我儘なのは分かってるけど、心も体も両方が拒絶している。
「何も入ってないよ?ほら、大丈夫だよ?」
斗真さんは飲んで見てせくれたけど怖くて見ることもできず俯いた。
何も入ってないのは分かってる。
斗真さんが水に薬を入れないことも分かってる。
今は薬が怖いんじゃない…そう伝えたいのに喉がキューってして上手く話せない。
「……っ……」
「うーん、じゃあゼリー食べる?」
冷蔵庫から袋に入ったゼリーを持ってきてくれた。
「みかん味、食べてみる?」
「……コクリ」
キャップを開けてくれた。
「ここ咥えて、横をぎゅーって押してみて、」
こう?
「っ!!ツルンッ」
「食べれた?」
「ん、美味しい。」
「良かった。お水難しかったらこれでもいいからね。」
「……ありがとう。」
僕の好きなみかんの味。
美味しい。
僕のために買ってくれてたのかな?
袋に入ってて中身も見えないし、ツルんって食べれて美味しい。
夢中で食べてたらあっという間に全部食べてた。
「ごちそうさまでした。」
「うん、偉いね。」
「……お水飲む。」
「飲める?」
っ……
コップに入った水を見るとやっぱり怖くて喉が狭くなる。
それでも、さっきのゼリーは食べれたからきっと飲める。
唾を飲んで、ゆっくりコップを傾ける。
「ゴックン……っは……飲めた。」
「飲めたね!頑張ったね。」
コクリ
「悪いものは何も入ってないからね。」
フルフル
「……違う……」
「ん?」
「怖いの薬違う……さっき苦しくなってお水の中でぶくぶくしたから……それで……それで……」
「そっか…分かった。もう大丈夫だからね。、フラッシュバックが起きてたんだね。怖かったね。」
「……今は怖くない。」
「そっか、良かった。でも、もう少しだけこのままギューってしておこうか。」
コクリ
斗真さんが理解してくれてギューってくれたから僕も斗真さんの背中に手を伸ばしてギューってした。
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