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435、なかなか 斗真side

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安静に過ごそうと思ったけど何かしないとまた役に立ててないって不安になるだろうな…
さっきからきりがよくなったら休もうって言ってるけどなかなか聞き入れてくれない。

次々と掃除する箇所を見つけて掃除しに行ってしまう。

お陰で家中ピカピカになった。

「ありがとう、綺麗になったよ。休もうか。」

「……まだ…」

「もう十分頑張ってくれたよ。ありがとう。」

包み込むように抱きしめると大きく息を吐き力が抜けていく。

「ありがとう。2週間掃除してなかったから思ってたより埃溜まってたね。綺麗にしてくれてありがとう。」

「綺麗なった…」

「うん、綺麗になったよ。ありがとう。」

「うん…」

納得してくれたのかやっとソファーに座ってくれた。

「昨日作ったいちごのムース食べて休憩しようか。」

「うん!いちごのムース食べる!」

嬉しそうにキッチンまで追いかけて来る。

冷蔵庫からいちごのムースを取り出すと背伸びをして覗いていた。

「上手にできてるよ。」

机に並べると目を輝かせて見つめていた。

「写真撮ろうか。いちごのムース持ってー。」

両手で大切そうに持つ姿が可愛い。
頬を緩ませ嬉しそうな奏くんの写真が撮れた。

「食べようか。」

「うん!」

「「いただきます。」」

初めて食べるもので緊張していたけど俺に続いてゆっくり口に入れた。

「っ!っ美味しい!斗真さん!」

「うん笑  美味しいね。」

今までで1番テンションが上がってるんじゃないかな笑
自分が作ったものが美味しかったから嬉しいのかな?

「嬉しいねー。」

「うん!美香さんが作ってくれたイチゴジャムで斗真さんと一緒に作って美味しいの出来て嬉しい。3人で作ったの初めて。」

3人で作ったのが嬉しかったのか。
母さんも一緒に作ったって思ってくれてるのが嬉しかった。

「そっか~。俺はその奏くんの気持ちが一番嬉しいよ。」

美味しいね。って言い合いながらぺろっと完食した。
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