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431、罪悪感 奏side
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…夢の中で斗真さんにご飯を作っていた。
斗真さんのために美味しいご飯を作ってもっと美味しくなるようにおまじないもして、味見もした…
美香さんはいつも味見をするから同じように味見をした。
美味しいっ
「っ…」
!
どうしよう…味見しちゃったっ…
目が覚めた途端味見をした罪悪感に押し潰されそうになった。
どうしよう…怒られる…
どうしよう…後悔がどんどん膨らんでいく。
「泣いてもいいよ。」
その言葉に抑えきれない気持ちがぶわっと溢れ出した。
「っ……ぅっん……ぅ………」
「大丈夫だよ。どうしようって不安になっちゃったんだね。」
「っんぁああああ……」
「大丈夫、大丈夫、」
自分がしてしまったことへの後悔、それの代償を考えて頭がいっぱいになる。
「大丈夫、大丈夫、」
泣き止んだがしゃっくり止まらなくなった。
斗真さんの服を力いっぱい掴んで縋る。
「ゆっくり深呼吸しようか、大きく息を吸って~、吐いて~そう上手ゆっくりでいいよ。」
斗真さんの言う通り大きく深呼吸をして落ち着かせる。
「お水飲もうか、飲める?」
斗真さんが一口飲んだお水を受け取ってゆっくり飲む。
「偉い、偉い、落ち着いて良かった~」
「…ごめんなさい。」
「何に謝ってるの?泣いちゃったこと?」
「…それも……味見しちゃったこと…っぅ…」
思い出してまた涙が込み上げてくる。
「泣いたことも、味見したことも悪いことじゃないよ。夢の中で味見して怒られた?」
フルフル
「良かった。味見って何でするか分かる?」
「…美味しいか確認するため?」
「そう、美味しいかな~?とか味が薄いかな?濃いかな?って確かめて、美味しいものを食べて欲しいなっていう願いが籠ってるの。奏くんは俺に美味しいご飯を作ってあげたいって思ってくれてたんだよね。」
…コクリ
「その気持ちが嬉しかったよ。ありがとう。味見して、美味しくなるおまじないもしてくれてたんでしょ~?嬉しいっ、ありがとね。」
せっかく泣き止んだのに斗真さんの言葉にボロボロと大粒の涙が零れ落ちた。
「奏くんにそんなに想ってもらって美味しいご飯作ってもらった夢の中の俺にヤキモチ妬いちゃうな~
俺も奏くんが作ってくれた美味しいご飯食べたいな~笑」
「作るっ…ぅっ…斗真さんにご飯作るぅ…ん゙…」
「作ってくれるの?ありがとう。味見とおまじないもしてくれる?」
「するっ…いっぱいする…っ…」
「うん、ありがとう。」
涙を零しながら喋る僕の背中を優しく擦りながらギューッて抱きしめてくれた。
斗真さんのために美味しいご飯を作ってもっと美味しくなるようにおまじないもして、味見もした…
美香さんはいつも味見をするから同じように味見をした。
美味しいっ
「っ…」
!
どうしよう…味見しちゃったっ…
目が覚めた途端味見をした罪悪感に押し潰されそうになった。
どうしよう…怒られる…
どうしよう…後悔がどんどん膨らんでいく。
「泣いてもいいよ。」
その言葉に抑えきれない気持ちがぶわっと溢れ出した。
「っ……ぅっん……ぅ………」
「大丈夫だよ。どうしようって不安になっちゃったんだね。」
「っんぁああああ……」
「大丈夫、大丈夫、」
自分がしてしまったことへの後悔、それの代償を考えて頭がいっぱいになる。
「大丈夫、大丈夫、」
泣き止んだがしゃっくり止まらなくなった。
斗真さんの服を力いっぱい掴んで縋る。
「ゆっくり深呼吸しようか、大きく息を吸って~、吐いて~そう上手ゆっくりでいいよ。」
斗真さんの言う通り大きく深呼吸をして落ち着かせる。
「お水飲もうか、飲める?」
斗真さんが一口飲んだお水を受け取ってゆっくり飲む。
「偉い、偉い、落ち着いて良かった~」
「…ごめんなさい。」
「何に謝ってるの?泣いちゃったこと?」
「…それも……味見しちゃったこと…っぅ…」
思い出してまた涙が込み上げてくる。
「泣いたことも、味見したことも悪いことじゃないよ。夢の中で味見して怒られた?」
フルフル
「良かった。味見って何でするか分かる?」
「…美味しいか確認するため?」
「そう、美味しいかな~?とか味が薄いかな?濃いかな?って確かめて、美味しいものを食べて欲しいなっていう願いが籠ってるの。奏くんは俺に美味しいご飯を作ってあげたいって思ってくれてたんだよね。」
…コクリ
「その気持ちが嬉しかったよ。ありがとう。味見して、美味しくなるおまじないもしてくれてたんでしょ~?嬉しいっ、ありがとね。」
せっかく泣き止んだのに斗真さんの言葉にボロボロと大粒の涙が零れ落ちた。
「奏くんにそんなに想ってもらって美味しいご飯作ってもらった夢の中の俺にヤキモチ妬いちゃうな~
俺も奏くんが作ってくれた美味しいご飯食べたいな~笑」
「作るっ…ぅっ…斗真さんにご飯作るぅ…ん゙…」
「作ってくれるの?ありがとう。味見とおまじないもしてくれる?」
「するっ…いっぱいする…っ…」
「うん、ありがとう。」
涙を零しながら喋る僕の背中を優しく擦りながらギューッて抱きしめてくれた。
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