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421、バラバラの意見 奏side
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また体が言うことを聞かなくなった…
心と体の意見が違って自分の体じゃない感じがする。
「どうした?」
見つめていた手を握って聞かれる。
「……この体は僕の?」
「奏くんのだよ。」
「…そっか…」
「どうした?響のこと?」
「うーうん、僕のじゃない気がしただけ…」
「奏くんの体だよ。奏くんはどうしたいって思ってるの?」
「僕はお風呂に入りたい。…汚いのやだ…」
「そっか、でも体はお風呂に入りたくないって言ってるんだね。」
「…うん…言うこと聞いてくれない…」
だんだん言うことを聞かない体に腹が立ってきた。
震える手をギューッと握りしめる。
「心が思ってることも頭や体が思ってることも全部正しいんだよって言ったの覚えてる?」
…コクリ
「っでも…」
「うん、」
「でも…汚いから…お風呂入らないと…」
「奏くんは汚くないよ。臭くない。奏くんのいい匂いがするよ。」
斗真さんは僕を抱きしめて首元の臭いを嗅いだ。
「汚い…」
「汚くないよ。」
「でも…でも…」
「汚くない。大丈夫だよ。」
「お風呂入る…」
「…分かった。立てる?」
「ん…」
斗真さんの腕に掴まって立つ。まだ上手く力が入らなくてガクガクする。
「よいしょ。早く洗って早く上がろうか。」
「うん、」
僕を抱き上げて風呂に入ったらいつもより手早く洗ってくれた。
「流すよー。」
「よし、綺麗になったよ。先上がって体拭いて待ってて。俺も洗うから。」
「ぇ…1人?」
「奏くんの体がもう限界って言ってるから。心がしたかったお風呂は入れたでしょ?次は体の番。上手に拭けなくても良いから脱衣所で座って待っててくれる?」
「……うん…」
「すぐ上がるからね。」
脱衣所に出てきて改めて自分の体を見るとさっきよりも手が震えて脚も動かなくなっていた。
喉に違和感があって呼吸も少し苦しい…
バスマットの上に座り込んだままバスタオルを肩にかけて斗真さんを待つことにした。
体は濡れてるけど天井から暖かい風が入ってくるから寒くない。
洗面台にもたれかかって体の力を抜いた。
心と体の意見が違って自分の体じゃない感じがする。
「どうした?」
見つめていた手を握って聞かれる。
「……この体は僕の?」
「奏くんのだよ。」
「…そっか…」
「どうした?響のこと?」
「うーうん、僕のじゃない気がしただけ…」
「奏くんの体だよ。奏くんはどうしたいって思ってるの?」
「僕はお風呂に入りたい。…汚いのやだ…」
「そっか、でも体はお風呂に入りたくないって言ってるんだね。」
「…うん…言うこと聞いてくれない…」
だんだん言うことを聞かない体に腹が立ってきた。
震える手をギューッと握りしめる。
「心が思ってることも頭や体が思ってることも全部正しいんだよって言ったの覚えてる?」
…コクリ
「っでも…」
「うん、」
「でも…汚いから…お風呂入らないと…」
「奏くんは汚くないよ。臭くない。奏くんのいい匂いがするよ。」
斗真さんは僕を抱きしめて首元の臭いを嗅いだ。
「汚い…」
「汚くないよ。」
「でも…でも…」
「汚くない。大丈夫だよ。」
「お風呂入る…」
「…分かった。立てる?」
「ん…」
斗真さんの腕に掴まって立つ。まだ上手く力が入らなくてガクガクする。
「よいしょ。早く洗って早く上がろうか。」
「うん、」
僕を抱き上げて風呂に入ったらいつもより手早く洗ってくれた。
「流すよー。」
「よし、綺麗になったよ。先上がって体拭いて待ってて。俺も洗うから。」
「ぇ…1人?」
「奏くんの体がもう限界って言ってるから。心がしたかったお風呂は入れたでしょ?次は体の番。上手に拭けなくても良いから脱衣所で座って待っててくれる?」
「……うん…」
「すぐ上がるからね。」
脱衣所に出てきて改めて自分の体を見るとさっきよりも手が震えて脚も動かなくなっていた。
喉に違和感があって呼吸も少し苦しい…
バスマットの上に座り込んだままバスタオルを肩にかけて斗真さんを待つことにした。
体は濡れてるけど天井から暖かい風が入ってくるから寒くない。
洗面台にもたれかかって体の力を抜いた。
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