こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

418、作りたい 奏side

っ…
ﾎﾞ-…

起きたけど体がだるくてボーッとしていた。

斗真さんの匂いを嗅いで心が静かだ。

二度寝しようと目を瞑ってみたが結構寝たから眠れない。

ﾑｸｯ…

「おはよう。眠れた？」

「ｺｸﾘ、おはよう…」

「眠たかったら寝ててもいいよ。」

ﾌﾙﾌﾙ

「そっかー、熱測ってもいい？」

……ｺｸﾘ
熱を測るのは少し怖くて体が強ばる。

「大丈夫、大丈夫。熱あっても怒んないからね。」

…ｺｸﾘ

測ってる間、やっぱり怖くて斗真さんの服を握りしめる。


ピピピッピピピッ…
「お、」

「…熱…ある?」

「あるのはあるんだけど結構下がったよ。
ほら、37.7。まだ体はしんどいだろうけど、ちゃんとご飯食べて寝たから下がったんだよ。偉いね。頑張ったね。」

「…もうちょっと?」

「うん、もうちょっとだね。」

「…イチゴのムースはできない…?」

「うーん、体しんどくない？」

「しんどくない。」

「うーん、まぁ混ぜるだけだしできるかな…しんどくなったらすぐ教えること。約束できる?」

「…約束…できる」

約束…できるかな…心配だけど多分できると思った。

「冷やさないとだから今日作って明日食べようか。」

…ｺｸﾘ

「じゃあここで待っててね。」

斗真さんはキッチンに行って色々持ってきてくれた。

「よし、作っていこう！こういうのを作るからね。」

携帯でイチゴのムースの写真を見せてくれた。
ピンク色で可愛い！
作りたい！イチゴのムースが何か分かんなかったけど写真を見て早く作りたくなった。

「イチゴジャムと牛乳とヨーグルトを入れて混ぜます！混ぜれる?」

ｺｸﾘ！

力強く頷いて受け取って混ぜる。

「流石、上手だね。」

褒めてもらって嬉しくなる。

「混ざったらここに溶かしたゼラチンを入れます。これで固まるからね。綺麗に混ざるように混ぜて、」

ｺｸﾘ




「混ざった？」

「混ざった。」

「じゃあグラスに入れようか。」

ｺｸﾘ
均等になるようにグラスに入れる。
4個できた。

「上手！これを冷やして固まったら上にイチゴジャムをかけて完成！明日までのお楽しみね。」

「お楽しみ。」

楽しみでグラスを見つめて頬が緩んだ。