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401、真逆 斗真side

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ほんとに怖くないのかな…
車での様子が奏くんと真逆過ぎて心配になる。

このままの調子で家に着くのかな…
響の怖いものが分からないからパニックを起こさないかヒヤヒヤする。

車の横を人が通っても大きいトラックが通っても今のところ怖がっていないけど…

響の様子を見ながら車を走らせる。



「もうすぐ着くよ。」

「…」

声を掛けても黙って外を眺めていた。





「到着。降りれる?」

「うん」

「これ持てる?」

クッキーと鞄を持ってもらった。

駐車場に出ても怯えずちゃんと声も出てる。

荷物を持ってエレベーターに乗ると少し距離を縮めてきた。
…もしかして…閉所恐怖症?

エレベーターのドアが開くとすぐ出て行き深く息を吸った。


ガチャ
「ただいまー。」

「…おじゃまします…」

「ただいまでいいよ。今日から俺と響のお家だからね。」

「………ただいま…」

「おかえり。   響の荷物寝室に置いとくね。休憩しようか。なんか飲む?」

「要らない。」

「っ…あ、そっか……」

そうだった…響は口にすることが苦手なんだ…
でも脱水にはなってほしくないし…どうにかできないかな……

うーん、考えてきたけど全然いい案が浮かばない。
とりあえずいつも通りやってみる?

ゴクッ
「飲む?」

「要らない。」

一口飲んで前に置いてみたけど押し返された。

飲みたくなったら飲むかな。
置いたままそっとしておくことにした。

「あ、そうだ。」

奏くんに代る前にやっておきたいことがあったんだ。

「響、携帯触ってもいい?」

「うん」

「電話とかメールってしたことある?」

「ない。」

「俺と昨日会った心のお医者さんの小林透の連絡先入ってるから、使い方教えてもいい?」

「…別に使わないからいい。」

「使わなくてもいいから、使い方だけ知っててほしいんだ。」

「勝手にすれば、」

「ここを押して_______________そう。それで_______________覚えた?」

「多分」

「また分かんなくなったら聞いてくれたらいいからね。」

「…俺逃げないよ。」

「知ってるよ。携帯は監視するために持ってるんじゃないよ。お話したい時にできるようにする物だから使い方知っててほしいなって思っただけ。話したくなったらいつでも電話でもメールでもしてきていいからね。」

「…あっそ」

腑に落ちてないみたいだったけどとりあえず携帯の使い方は教えることができて良かった。
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