こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

神娘

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381、黙った奏くんと 斗真side

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響のことを説明したが分かっていないみたいだった。
そら、知らない人と自分が同じだよって言われても分かんないよな。

響は奏くんのこと知ってたけど奏くんは今日初めて会ったんだもんな…




明日から俺の家か…少し慣れてくれたように見えるけど新しい環境で夜寝れるか分かんないし今日は早めに寝かせよう。

っというものの、話が終わってからずっと床を見つめている。

受け入れられなかったか……

「奏くん、」

名前を呼ぶと目を見てくれるが心ここに在らずって感じなんだよな。

「お風呂行こうか、」

コクリ

抱っこして風呂場連れていく。いつもは脱衣所に着くと降りて自分で服を脱ぐが今日は俺に寄りかかったまま動かない。

「服脱がせてもいい?」

コクリ



「行こっか、」

洗ってる間もぼーっと床を見つめ、おもちゃを見せても遊ばなかった。



「寝ようか。」

コクリ

「おやすみ、」

和室に入ろうとしたら透に手招きされ近寄ると「今日はここ泊まる。リビングで寝るから何かあったら言ってくれ。」っと、耳打ちされた。

「ありがとう。」

奏くんを抱き直し襖を閉めた。

布団に入っても離れず、ずっと俺の服を掴んでいる。

「大丈夫だよ。」

リズムよく背中をトントンするが眠たそうでもない。



「…僕がいなくなったら…この体は響くんの物になるの?」

「…どっちがいなくなるっというか、一つになるっていうイメージかな。奏くんの体は奏くんのものだよ。」

やっと喋ったと思ったら体が誰の物になるのかか…
今、奏くんは自分が誰の物っていうのが凄い大事なんだ。
今まで親の所有物のように扱われてきたからやっと解放されて自由にできると思った矢先に新しく体の持ち主らしき人が現れたんだ。

もしかすると、響自体への疑問や不信感よりも体を取られる不安の方が大きのかもしれないな……
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