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378、交代 斗真side
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響も辛かったんだよな。
奏くんと響は2人で辛さを分けあって耐えてきたけどそれでも耐え切れないほどの辛さがあったんだな。
考えるだけで胸が傷んだ。
今は落ち着いて胸に寄りかかっている。
初めは抵抗してたけど気持ちが落ち着いたのか脱力して瞬きが重くなる。
眠たいのかな。
じっと見つめているとそのまま眠ってしまった。
たくさん抵抗して大きい声で気持ちを伝えて疲れたね。
「頑張ったね。ありがとう。」
頭を撫でると静かに目を覚ます。
何度か瞬きをして見上げる。
目が合った瞬間奏くんだと気付いた。
同じ顔だが目付きが違った。
「おはよう。」
「…おはよう…キョロキョロ…玄関で寝ちゃったの?」
「んー、うーうん、ちょっと色々あってね。」
「???」
「…透との話も途中だったからそれも踏まえてまた後で話そうね。」
「………コクリ」
「その前にご飯食べようかな。」
コクリ!コクリ!
「ごはん食べるっ!」
お腹が空いていたのか勢い良く立ち上がって早く行こうと俺の腕を引っ張る。
リビングの扉を開けるとみんなと目が合った。
それに驚いたのか咄嗟に奏くんが俺の後ろに隠れる。
「奏くんおはよう。」
透にはすぐ奏くんに戻ったのだと分かったみたいで声をかけてくれた。
それでみんなも理解してくれたみたいで初めは少し戸惑っていたができるだけいつも通り接してくれた。
目の前にご飯が出てきてわくわくしている奏くんを見て安心した。
「みんなはもう食べたの?」
「ごめんねぇ、お腹空いちゃって先に食べちゃったのよ。斗真はまだだから一緒に食べてね。食べ終わったらデザートにケーキがあるからみんなで一緒に食べようね。」
俺と奏くんの分しかテーブルにないことに気付き奏くんの問に母さんが答えてくれた。
「…けーき?」
「甘いお菓子よ。お父さんが奏くんが気に入りそうなの買ってきてくれたから一緒に食べようね。」
コクリ
「明日から斗真のお家に行くんでしょ~。だから今日はお祝い。ご飯も奏くん好きかなぁって思ってハンバーグにしてみたの。どうかな?」
「ハンバーグ……作ったことあるよ。」
「え~!ハンバーグ作れるの?!凄いわねぇ」
「でも食べたことないから楽しみ。」
「そ~初めてなんだ。1口食べてみて~どう?食べれそう?」
「っ!美味しい。美味しいね。」
自ら1口食べて美味しいと俺の顔を見上げた。
「うん、美味しいな。」
「良かった~ゆっくり食べていいからね。」
コクリ
「ありがとう。」
「ふふっ、どういたしまして♪」
俺が食べる前に食べれたことが嬉しかった。
奏くんは俺達のこと信用してくれてるのかな。
響は今日が初めてだったもんな。
初対面であれだけ話せたらすごい方か、奏くんはうちに来て初日話す以前に目を合わせるのもやっとだったもんな……
響も安心できるようにしてやりたいな。
奏くんはゆっくりだが一口一口しっかり噛んで食べてる。たまに俺を見て美味しいねって言うから可愛くて頭を撫でると目を細くする。多分笑ってるんだろうな。
「美味しいな。」
奏くんと響は2人で辛さを分けあって耐えてきたけどそれでも耐え切れないほどの辛さがあったんだな。
考えるだけで胸が傷んだ。
今は落ち着いて胸に寄りかかっている。
初めは抵抗してたけど気持ちが落ち着いたのか脱力して瞬きが重くなる。
眠たいのかな。
じっと見つめているとそのまま眠ってしまった。
たくさん抵抗して大きい声で気持ちを伝えて疲れたね。
「頑張ったね。ありがとう。」
頭を撫でると静かに目を覚ます。
何度か瞬きをして見上げる。
目が合った瞬間奏くんだと気付いた。
同じ顔だが目付きが違った。
「おはよう。」
「…おはよう…キョロキョロ…玄関で寝ちゃったの?」
「んー、うーうん、ちょっと色々あってね。」
「???」
「…透との話も途中だったからそれも踏まえてまた後で話そうね。」
「………コクリ」
「その前にご飯食べようかな。」
コクリ!コクリ!
「ごはん食べるっ!」
お腹が空いていたのか勢い良く立ち上がって早く行こうと俺の腕を引っ張る。
リビングの扉を開けるとみんなと目が合った。
それに驚いたのか咄嗟に奏くんが俺の後ろに隠れる。
「奏くんおはよう。」
透にはすぐ奏くんに戻ったのだと分かったみたいで声をかけてくれた。
それでみんなも理解してくれたみたいで初めは少し戸惑っていたができるだけいつも通り接してくれた。
目の前にご飯が出てきてわくわくしている奏くんを見て安心した。
「みんなはもう食べたの?」
「ごめんねぇ、お腹空いちゃって先に食べちゃったのよ。斗真はまだだから一緒に食べてね。食べ終わったらデザートにケーキがあるからみんなで一緒に食べようね。」
俺と奏くんの分しかテーブルにないことに気付き奏くんの問に母さんが答えてくれた。
「…けーき?」
「甘いお菓子よ。お父さんが奏くんが気に入りそうなの買ってきてくれたから一緒に食べようね。」
コクリ
「明日から斗真のお家に行くんでしょ~。だから今日はお祝い。ご飯も奏くん好きかなぁって思ってハンバーグにしてみたの。どうかな?」
「ハンバーグ……作ったことあるよ。」
「え~!ハンバーグ作れるの?!凄いわねぇ」
「でも食べたことないから楽しみ。」
「そ~初めてなんだ。1口食べてみて~どう?食べれそう?」
「っ!美味しい。美味しいね。」
自ら1口食べて美味しいと俺の顔を見上げた。
「うん、美味しいな。」
「良かった~ゆっくり食べていいからね。」
コクリ
「ありがとう。」
「ふふっ、どういたしまして♪」
俺が食べる前に食べれたことが嬉しかった。
奏くんは俺達のこと信用してくれてるのかな。
響は今日が初めてだったもんな。
初対面であれだけ話せたらすごい方か、奏くんはうちに来て初日話す以前に目を合わせるのもやっとだったもんな……
響も安心できるようにしてやりたいな。
奏くんはゆっくりだが一口一口しっかり噛んで食べてる。たまに俺を見て美味しいねって言うから可愛くて頭を撫でると目を細くする。多分笑ってるんだろうな。
「美味しいな。」
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