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376 、響の拒絶 斗真side
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奏くんは今どうしてるんだろう。
響から聞きたいことは山ほどあるけど、急に交代した原因も気になるしもし精神的に耐えられない何かがあって響に代わっているのだとしたら今すぐ抱きしめて苦痛を減らしてやりたい。
響も奏くんなのに違う人と話してるみたいで無意識に響の仕草から奏くんを探してしまう。
さっきみたいに話聞いてるのかな。
コンコン、
「はい、」
「そろそろ夕食できるけど食べれる?」
「うん、大丈夫。食べれるよ。」
「…俺はいらない。」
「…お腹空いてない?」
最近奏くんは食に興味が湧いてきてたから食べないと言われて驚いた。
「…別に…食べたくないだけ…」
「薬とか入ってないよ。」
奏くんも初日は薬が入ってるんじゃないかと疑っていた。
今も俺が口にした物しか基本食べれないけど…
本当に食べたくないんだろうな、脚を抱えて顔を伏せた。
「ご飯見たらお腹空くかもしれないしリビング行こ。」
ッ!パシッ!!!
腕を掴んで立たせようとしたら手を弾かれた。
「食わねぇって言ってんだろ!!!食いたくねんだよ!!!」
「薬とか変な物は何も入ってないよ?」
「そんな言葉信じれるわけねぇだろ!!!奏はそれで騙せても俺は騙されないから!!!」
「俺が食べた後に食べるのでもダメ?」
「信じない。何も入ってない。何もしないって言ってどうせ裏切るんだろ!もう分かってんだよ!!!」
「そんなのことしないよ。今まで裏切られて辛かったんだな。もう誰も裏切らないから。」
「俺は信じない。騙されない。」
抱きしめようとしたが近付くと肩が震えてるのが見え、手を握るだけにした。
手の甲をさすり気持ちが落ち着くのを待つ。
「分かった。食べなくていいよ。でも、椅子には一緒に座ってくれる?」
「行かない。ここいる。」
ご飯の匂いを嗅いだら奏くんに代わるかなって思って誘ってみたけどハッキリ断られてしまった。
本当に自分の気持ちをハッキリ言える子だな。
「…分かった。」
「ご飯できたよ~」
「「はーい。」」
和室の隅で脚を抱えたままじっとする響を置いてリビングに行く。
「奏くん…機嫌悪いの??」
母さんが耳打ちで聞いてきた。
「うーうん、機嫌悪いっていうか警戒してる。実は_______________っていう状態で、」
母さんと父さん、杏美に奏くんの多重人格のことを簡単に説明した。
「そうなんだ…多重人格かぁ…」
「とりあえず今はそっとしとく。落ち着いて奏くんに戻ったら食べてくれるかもしれないし。」
「分かったわ。無理に食べさすのも良くないしね。」
「うん、ありがとう。」
椅子に座り襖の隙間から響の様子を見る。
さっきと変わらず脚を抱えたままじっとしている。
響から聞きたいことは山ほどあるけど、急に交代した原因も気になるしもし精神的に耐えられない何かがあって響に代わっているのだとしたら今すぐ抱きしめて苦痛を減らしてやりたい。
響も奏くんなのに違う人と話してるみたいで無意識に響の仕草から奏くんを探してしまう。
さっきみたいに話聞いてるのかな。
コンコン、
「はい、」
「そろそろ夕食できるけど食べれる?」
「うん、大丈夫。食べれるよ。」
「…俺はいらない。」
「…お腹空いてない?」
最近奏くんは食に興味が湧いてきてたから食べないと言われて驚いた。
「…別に…食べたくないだけ…」
「薬とか入ってないよ。」
奏くんも初日は薬が入ってるんじゃないかと疑っていた。
今も俺が口にした物しか基本食べれないけど…
本当に食べたくないんだろうな、脚を抱えて顔を伏せた。
「ご飯見たらお腹空くかもしれないしリビング行こ。」
ッ!パシッ!!!
腕を掴んで立たせようとしたら手を弾かれた。
「食わねぇって言ってんだろ!!!食いたくねんだよ!!!」
「薬とか変な物は何も入ってないよ?」
「そんな言葉信じれるわけねぇだろ!!!奏はそれで騙せても俺は騙されないから!!!」
「俺が食べた後に食べるのでもダメ?」
「信じない。何も入ってない。何もしないって言ってどうせ裏切るんだろ!もう分かってんだよ!!!」
「そんなのことしないよ。今まで裏切られて辛かったんだな。もう誰も裏切らないから。」
「俺は信じない。騙されない。」
抱きしめようとしたが近付くと肩が震えてるのが見え、手を握るだけにした。
手の甲をさすり気持ちが落ち着くのを待つ。
「分かった。食べなくていいよ。でも、椅子には一緒に座ってくれる?」
「行かない。ここいる。」
ご飯の匂いを嗅いだら奏くんに代わるかなって思って誘ってみたけどハッキリ断られてしまった。
本当に自分の気持ちをハッキリ言える子だな。
「…分かった。」
「ご飯できたよ~」
「「はーい。」」
和室の隅で脚を抱えたままじっとする響を置いてリビングに行く。
「奏くん…機嫌悪いの??」
母さんが耳打ちで聞いてきた。
「うーうん、機嫌悪いっていうか警戒してる。実は_______________っていう状態で、」
母さんと父さん、杏美に奏くんの多重人格のことを簡単に説明した。
「そうなんだ…多重人格かぁ…」
「とりあえず今はそっとしとく。落ち着いて奏くんに戻ったら食べてくれるかもしれないし。」
「分かったわ。無理に食べさすのも良くないしね。」
「うん、ありがとう。」
椅子に座り襖の隙間から響の様子を見る。
さっきと変わらず脚を抱えたままじっとしている。
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