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366、もう大丈夫。 奏side
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帰ろうとしてたのにエレベーターを出たあたりから上手く息が吸えなくなって苦しくてどうしたらいいか分からなくなってしまった。
今は斗真さんのお家に戻ってきて苦しいのはなくなったけど胸がまだドキドキして煩いまま。
僕のせいでお家に帰れなくなってしまった…
また迷惑かけちゃった…
考えれば考えるほどまた喉に違和感を感じる。
でもまた苦しくなったらまた迷惑をかける。
そう思い大きく息を吸って大きく吐いた。
「苦しい?」
「っ…フルフル、苦しくない。大丈夫。もう大丈夫だから帰れる。」
「無理しなくていいよ。もう少しゆっくりしてから帰ろ。」
……僕のせいだ…斗真さんは僕のために言ってくれてるのにそれを素直に受け入れることができなかった。
「ごめんなさい。僕もう大丈夫だから。帰れるよ。」
これ以上迷惑かけたくない。
体の警告音を無視し、斗真さんの手を引いて玄関に向かう。
「まだ帰らないよ。」
「…どうして…」
斗真さんの目を見たら気持ちを押し殺せない気がして奥歯を噛んで床を見つめる。
「どうしてだと思う?」
「………僕のせい…」
「うーん、奏くんの為ではあるけど『せい』ではないかな。奏くんが悪いわけじゃないよ。」
「…どうして……悪いよ…」
「悪くないよ。どうして悪いと思うの?」
「…だって……僕が…僕が苦しくなったから……我慢できなかった……我慢できない、悪い…」
「悪くないよ。我慢なんてしなくていいよ。苦しくて怖かったんだよね。苦しいってちゃんと教えてくれて俺はすっごく嬉しかったよ。ありがと。」
「…え?」
「我慢せずに俺に助けを求めてくれた。
苦しい。って隠さず教えてくれて嬉しかったんだ。
だから我慢できなかったことは悪くない。我慢しなくていいんだよ。」
「…嬉しい…?」
「嬉しかったよ。ベッドで苦しくなった時も部屋の隅で苦しくなった時も教えてくれなかったでしょ。
奏くんは俺に迷惑かけたくないって思ってるかもしれないけど俺は教えてくれたら俺の事頼ってくれるんだぁって嬉しいって思うよ。」
弱音吐いたのに嬉しい……
我慢できなかったのに怒らない…
でも…
「僕は……」
『お前は商品なんだから感情とか要らねんだよ!お前は金持って来ればそれでいいんだよ!』
「僕は………商品だから……」
「っ!、奏くんは商品なんかじゃないよ。奏くん、こっち向いて。俺の目見て。」
顎を上げられ床を見つめていた目は無理矢理斗真さんの目と合わせられる。
力強い目が怖くて体を引こうとするが肩を掴まれ引けない。
僕の口から出た『商品』の言葉。
今までずっと言われ続けていた言葉。
自分の中では否定していたが仕事をする度商品であることを体が受け入れていく。
商品に感情なんていらない。痛いも苦しいも我慢する。感じてないフリをする。
それが商品の仕事だから。
でも、この言葉のせいで斗真さんを怒らせてしまったみたいだ。
怒らせたくなかった人…なのに怒らせてしまった…
怖い…
でも何故か心は他人事のように穏やかだった。
今は斗真さんのお家に戻ってきて苦しいのはなくなったけど胸がまだドキドキして煩いまま。
僕のせいでお家に帰れなくなってしまった…
また迷惑かけちゃった…
考えれば考えるほどまた喉に違和感を感じる。
でもまた苦しくなったらまた迷惑をかける。
そう思い大きく息を吸って大きく吐いた。
「苦しい?」
「っ…フルフル、苦しくない。大丈夫。もう大丈夫だから帰れる。」
「無理しなくていいよ。もう少しゆっくりしてから帰ろ。」
……僕のせいだ…斗真さんは僕のために言ってくれてるのにそれを素直に受け入れることができなかった。
「ごめんなさい。僕もう大丈夫だから。帰れるよ。」
これ以上迷惑かけたくない。
体の警告音を無視し、斗真さんの手を引いて玄関に向かう。
「まだ帰らないよ。」
「…どうして…」
斗真さんの目を見たら気持ちを押し殺せない気がして奥歯を噛んで床を見つめる。
「どうしてだと思う?」
「………僕のせい…」
「うーん、奏くんの為ではあるけど『せい』ではないかな。奏くんが悪いわけじゃないよ。」
「…どうして……悪いよ…」
「悪くないよ。どうして悪いと思うの?」
「…だって……僕が…僕が苦しくなったから……我慢できなかった……我慢できない、悪い…」
「悪くないよ。我慢なんてしなくていいよ。苦しくて怖かったんだよね。苦しいってちゃんと教えてくれて俺はすっごく嬉しかったよ。ありがと。」
「…え?」
「我慢せずに俺に助けを求めてくれた。
苦しい。って隠さず教えてくれて嬉しかったんだ。
だから我慢できなかったことは悪くない。我慢しなくていいんだよ。」
「…嬉しい…?」
「嬉しかったよ。ベッドで苦しくなった時も部屋の隅で苦しくなった時も教えてくれなかったでしょ。
奏くんは俺に迷惑かけたくないって思ってるかもしれないけど俺は教えてくれたら俺の事頼ってくれるんだぁって嬉しいって思うよ。」
弱音吐いたのに嬉しい……
我慢できなかったのに怒らない…
でも…
「僕は……」
『お前は商品なんだから感情とか要らねんだよ!お前は金持って来ればそれでいいんだよ!』
「僕は………商品だから……」
「っ!、奏くんは商品なんかじゃないよ。奏くん、こっち向いて。俺の目見て。」
顎を上げられ床を見つめていた目は無理矢理斗真さんの目と合わせられる。
力強い目が怖くて体を引こうとするが肩を掴まれ引けない。
僕の口から出た『商品』の言葉。
今までずっと言われ続けていた言葉。
自分の中では否定していたが仕事をする度商品であることを体が受け入れていく。
商品に感情なんていらない。痛いも苦しいも我慢する。感じてないフリをする。
それが商品の仕事だから。
でも、この言葉のせいで斗真さんを怒らせてしまったみたいだ。
怒らせたくなかった人…なのに怒らせてしまった…
怖い…
でも何故か心は他人事のように穏やかだった。
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