こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

363、していいこと 奏side

不安が1つなくなり胸が静かになった。
斗真さんはいつも何も言わなくても僕が不安に思ってくれてることを分かってくれてる。

斗真さんがお仕事をしてる時は紙に書いたことをやったらいいんだ。

今までお家ではお父さんとお母さんの言われた通りに動き、お仕事ではお客さんの言われた通りに動いてきた。
だから何でもしていいと言われてもどうしたらいいのか分からない。

でも、紙に書いたことのほとんどが僕がしたいことだった。それでいいのか不安だったが斗真さんは僕がしたいことをしていいと言ってくれた。

今までそんなこと言われたことなかったから初めは戸惑ったけどゆっくり考えて思い付いたらここに書き足したいと思った。



「そろそろ実家に帰ろうか、」

ｺｸﾘ

その声に体を起こし、カバンに荷物も片付ける。

持ってきたカバンとお弁当箱とクッキーを持ってソファーから降りる。

「大荷物だね笑  カバンと弁当持つよ。」

「ありがとう。」

クッキーを抱きしめて斗真さんの後ろを付いて行く。

「抱っこする？」

「……ﾌﾙﾌﾙ、大丈夫。」

何となく来た時より胸の中が晴れていて今なら自分の足で歩ける気がした。