こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

348、少し休憩 斗真side

そろそろアニメも終わるかな。

コンビニに車を止めてアニメが終わるのを待つことにした。

ﾁﾗ…

「終わった?」

画面にはエンディングが流れていた。

「外そうか、」

ｺｸﾘ

ジェスチャーで伝えると頷いてイヤーマフに手をかけた。

「耳痛くない？」

ｺｸﾘ

イヤホンも外して軽く耳を揉んだ。

「お家もうすぐ?」

「うん、ちょうど真ん中くらいかな。あともう一本アニメ見たら着くかな。」

「まだ観ていいの？」

「いいよ。その代わりもう少し耳と目を休めてから行こうね。」

ｺｸﾘ

「おいでー、」

シートベルトを外し膝の上に向き合うように座らせると少し疲れたのか、肩に頭を乗せて静かに目を瞑った。

体の力も抜いてリラックスしている。外でこんなに落ち着いてるのなんて初めてだな。
アニメの力って凄いな…
あと5分くらい休憩したら行くか、

奏くんは目は瞑ってるが多分寝てるわけではない。
本当に俺に身を任せてくれてるみたいに感じる。





…ﾎﾞｰ
しばらくして目を開けたがボーッとどこかを見つめている。

「疲れた？」

…ﾌﾙﾌﾙ
「疲れてない‥‥斗真さんの匂い嗅いでただけ。」

「俺の匂いってどんな匂い？」

「え…この匂い、」

奏くんが着てる俺の上着の袖を鼻に当てられる。
嗅いでみたけどやっぱり分からない。

「うーん、何の匂いに似てる？」

「…斗真さんの匂い…太陽の匂い？」

「太陽かぁ、」

「斗真さんの匂いを嗅ぐと太陽みたいに温かくなるの」

「へぇー、初めて言われた笑　太陽みたいか、その表現好きだな。ありがと。」

頭を撫でると褒められて照れたのか顔をぽっと赤く染めてまた俺の方に顔を押し当てた。