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341、赤いのを無くすために 奏side

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さっきまで動物のテレビを見てたのに今は大人の人が難しい話をしている。

何の話をしてるのか分からなくてテレビから目を離した。

氷嚢をどけて腕を見るとさっきより赤いのが薄くなっていた。
斗真さんが言うように氷嚢を当てていたら早く治るのかもしれない。

もう腕は赤いのほとんどないから違うところに当てたい。
今はサポーターで見えないけど左肩は赤黒く腫れている。
ここも氷嚢当てたら治るかな。


.......

当ててみたけどサポーターが付いてるから色が変わったかが分からない。

「肩痛いの?」

フルフル

斗真さんに聞かれ氷嚢を離した。

「赤いの治すの。」

「ほんとだ。腕は赤いの薄くなったね。肩も早く良くなったらいいね。」

「氷嚢で治る?」

「うーん、骨折は氷嚢では難しいかな。折れてすぐは冷やした方がいいけど。」

そっか…今体の中で1番痛いのは左肩だからこの痛みが無くなってほしかったのにな…

しょんぼりして俯く。

「骨折はもう少しかかるかな。安静にしてたら少しずつ良くなっていくからもう少し頑張ろうね。」

…コクリ

「少し?」

「うーん、少しではないかも…次病院に行った時に聞いてみようか。」

…コクリ

まだまだかかるんだ…腕と同じ赤なのに何が違うんだろう。
今まで常にどこか怪我してたのにこの怪我はいつもより長く感じた。
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