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340、氷嚢 奏side
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「お待たせ、ドライヤー終わったよ。」
コクリ
「リビング行こっか。」
「これもう当てなくていい?」
斗真さんのドライヤーが終わるまでこの冷たいのを当てておくっていう話だったから斗真さんにこれを返そうとしたら困った顔をされた。
どうしてそんな顔するの?
「奏くんは氷嚢嫌い?」
「ひょうのう?」
「これの名前。」
…嫌いというか、これを当ててたら痛いって言ってるみたいで嫌だ。
「…痛いないから…いらない」
「そっか、でも俺は当ててほしいんだよな。ここ赤く腫れてるでしょ?」
「はれてる…」
右腕と比べると確かに腫れていた。
「痛いからって言うより、腫れてるから当ててほしいんだよね。」
「…痛いない?」
「うーん、痛みじゃなくて腫れてるからなら当ててくれる?」
……
「当てたら治る?」
「うん、当てないよりは早く治ると思うよ。」
「……‥当てる」
「ありがと。でも当てててヒリヒリしたり余計痛くなったら離すんだよ。約束できる?」
「‥‥コクリ、約束。」
「いい子、おいで。」
斗真さんに抱っこしてもらってリビングに行き、ソファーでゆっくり過ごすことにした。
ぼーっとテレビを見ていると時々僕の顔をじっと見てから、氷嚢をどけて腫れを見てくる。
その度に怒られる気がして体を強張らせてしまうが、それに気づいてか見たあとは必ず優しく背中を擦ってくれる。
コクリ
「リビング行こっか。」
「これもう当てなくていい?」
斗真さんのドライヤーが終わるまでこの冷たいのを当てておくっていう話だったから斗真さんにこれを返そうとしたら困った顔をされた。
どうしてそんな顔するの?
「奏くんは氷嚢嫌い?」
「ひょうのう?」
「これの名前。」
…嫌いというか、これを当ててたら痛いって言ってるみたいで嫌だ。
「…痛いないから…いらない」
「そっか、でも俺は当ててほしいんだよな。ここ赤く腫れてるでしょ?」
「はれてる…」
右腕と比べると確かに腫れていた。
「痛いからって言うより、腫れてるから当ててほしいんだよね。」
「…痛いない?」
「うーん、痛みじゃなくて腫れてるからなら当ててくれる?」
……
「当てたら治る?」
「うん、当てないよりは早く治ると思うよ。」
「……‥当てる」
「ありがと。でも当てててヒリヒリしたり余計痛くなったら離すんだよ。約束できる?」
「‥‥コクリ、約束。」
「いい子、おいで。」
斗真さんに抱っこしてもらってリビングに行き、ソファーでゆっくり過ごすことにした。
ぼーっとテレビを見ていると時々僕の顔をじっと見てから、氷嚢をどけて腫れを見てくる。
その度に怒られる気がして体を強張らせてしまうが、それに気づいてか見たあとは必ず優しく背中を擦ってくれる。
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