こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

338、痛い? 斗真side

風呂には入れたが奏くんはずっと歯型が着いた腕をじっと見つめている。

「痛い?」

「っ！ぇ、あ、痛いない。我慢できる。」

「我慢してるってことは痛いってことだよ。」

ﾌﾙﾌﾙ
「痛いない。痛いないよ。だから…だから…」

痛いことを知られるともっと痛いことをされると思っている奏くんは俺から距離をとる。

これだけ赤く腫れてるのに痛くないはずがない。

「痛いのは増やさないよ。」

「…増やさない?怒ってない?」

「怒ってないよ。ちょっと待って、」

洗面器に冷水を入れる。

「俺が洗い終えるの待ってる間ここに赤いとこ当てときな。余計に痛くなったら離すんだよ。」

??

「ちょっと触ってみな、冷たい水入れてるからこれで冷やしといて、上がったら氷嚢で冷やそ。」

ｺｸﾘ

冷たい水に少し怖がっていたが恐る恐る腫れてるところを当ててくれた。

おもちゃを渡すと洗面器の水を使って遊んでいた。



「お待たせ、終わったよ。腕の調子どう?」

「痛いなくなった。」

なくなりはしないだろ。っと思いながらもさっきよりは痛そうな素振りをしないから否定せず受け入れることにした。

「良かった。上がろっか、」

ｺｸﾘ

おもちゃを片付けて風呂を出た。