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321、怒らせた… 斗真side
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「どうした?喧嘩したのか?」
ビクッ
「透?!いつ来たんだ?」
「さっき、」
奏くんの反応にどうするべき考えていたら横から透が話しかけてきた。
「で?何で喧嘩したの?」
「喧嘩してない。」
「じゃあ何で怒ったの?」
「……分かんない……いや…俺が悪い…」
「とりあえず話聞くわ、ちょっと待って」
透は母さんに奏くんのことを頼み俺の元に戻ってきた。
「ここだと奏くんに聞こえるからお前の部屋行こ。」
「うん、あ…ちょっと待って…」
俺の部屋からぬいぐるみのクッキーをリビングに持ってきた。
もし和室から出てきた時、俺がいなかったら不安になるかもしれない。…いや…もし嫌われてたらそれはないか…とりあえずソファーに置いて透と俺の部屋に向かった。
「奏くんが怒るなんて珍しいな。」
「………どうしよう…」
「とりあえず何があったか教えてくれる?」
「…さっき俺の部屋で休んでたんだ。それで俺は寝ようとしてたんだけど奏くんは眠たそうだけど眠れないみたいで…だんだん顔色が悪くなってきて、吐き気が起きて吐くよう言ったんだけど吐きたくないみたいで…
でも苦しそうだったからトイレに連れて行ったら全力で拒否されて、それでも無理矢理口に指突っ込んで吐かせたら怒って部屋に入ってしまった。」
「そら、誰でも怒るだろ。」
「……ごめん」
「はぁ、ちゃんとトイレ行く前に今から何するか言ったか?」
「え?」
「どうせお前のことだから ごめんな、っとか言って連れて来たんじゃねーの?吐かせようとしてること伝えたか?」
「………伝えてない。」
「何されるか分かんなくて怖かったんじゃねーの?ただでさえ奏くんはトイレが怖いのにそんなとこ連れてこられて口に指突っ込まれたら誰だって怖いよ。」
「……ごめん」
「俺に謝ったって仕方ないだろ。」
透は俺の話を聞いて少し苛立っていた。
当たり前か…俺の言動が悪かった…
「奏くんに謝ってくる。」
「いや、もう少し一人にしてやりな。多分奏くんのことだから怒ってるってより自分のこと責めてると思う。」
「え…それなら尚更早く」
「そんな状況で何か伝えたって聞き入れないことくらいお前がよく知ってんじゃねーの?」
「……それは…そうだけど…」
「今行ったら逆効果だよ。自分を責めてる時に謝られたら余計謝らせた罪悪感に押し潰されちまう。」
「……そっか…」
「自分を責める時の奏くんは結構頑固だからな…まぁ感情の矛先を自分にしか向けれない環境で今まで育ってきたから仕方がないんだろうけど。」
「………」
「斗真に対して本気で怒れる日が来たらいいのにな。」
「……怒らせないようにする……」
「ま、それもそうだな。」
本来俺に向くはずの感情が奏くん自身に向いてる…それが何より辛かった。
奏くんは何も悪くないのに、
「ぁ…もしかしたら自分のこと傷付けるかもっ!」
グッ
「だから、今はダメだって、奏くんのことはおばさんに頼んでるからお前はここにいろ。」
ベッドに座り直された。
「…でも…俺のせいで…」
「分かってるよ。けど、今行ったら逆効果だ。何回も言わせんな。」
「…ごめん…」
俺のせい…
数分前の自分の言動に対する後悔が絶えない。
はぁ…
俺は奏くんの心を傷付けた……謝って済む話でもない…
「はぁ……」
深い溜め息をこぼす。
ビクッ
「透?!いつ来たんだ?」
「さっき、」
奏くんの反応にどうするべき考えていたら横から透が話しかけてきた。
「で?何で喧嘩したの?」
「喧嘩してない。」
「じゃあ何で怒ったの?」
「……分かんない……いや…俺が悪い…」
「とりあえず話聞くわ、ちょっと待って」
透は母さんに奏くんのことを頼み俺の元に戻ってきた。
「ここだと奏くんに聞こえるからお前の部屋行こ。」
「うん、あ…ちょっと待って…」
俺の部屋からぬいぐるみのクッキーをリビングに持ってきた。
もし和室から出てきた時、俺がいなかったら不安になるかもしれない。…いや…もし嫌われてたらそれはないか…とりあえずソファーに置いて透と俺の部屋に向かった。
「奏くんが怒るなんて珍しいな。」
「………どうしよう…」
「とりあえず何があったか教えてくれる?」
「…さっき俺の部屋で休んでたんだ。それで俺は寝ようとしてたんだけど奏くんは眠たそうだけど眠れないみたいで…だんだん顔色が悪くなってきて、吐き気が起きて吐くよう言ったんだけど吐きたくないみたいで…
でも苦しそうだったからトイレに連れて行ったら全力で拒否されて、それでも無理矢理口に指突っ込んで吐かせたら怒って部屋に入ってしまった。」
「そら、誰でも怒るだろ。」
「……ごめん」
「はぁ、ちゃんとトイレ行く前に今から何するか言ったか?」
「え?」
「どうせお前のことだから ごめんな、っとか言って連れて来たんじゃねーの?吐かせようとしてること伝えたか?」
「………伝えてない。」
「何されるか分かんなくて怖かったんじゃねーの?ただでさえ奏くんはトイレが怖いのにそんなとこ連れてこられて口に指突っ込まれたら誰だって怖いよ。」
「……ごめん」
「俺に謝ったって仕方ないだろ。」
透は俺の話を聞いて少し苛立っていた。
当たり前か…俺の言動が悪かった…
「奏くんに謝ってくる。」
「いや、もう少し一人にしてやりな。多分奏くんのことだから怒ってるってより自分のこと責めてると思う。」
「え…それなら尚更早く」
「そんな状況で何か伝えたって聞き入れないことくらいお前がよく知ってんじゃねーの?」
「……それは…そうだけど…」
「今行ったら逆効果だよ。自分を責めてる時に謝られたら余計謝らせた罪悪感に押し潰されちまう。」
「……そっか…」
「自分を責める時の奏くんは結構頑固だからな…まぁ感情の矛先を自分にしか向けれない環境で今まで育ってきたから仕方がないんだろうけど。」
「………」
「斗真に対して本気で怒れる日が来たらいいのにな。」
「……怒らせないようにする……」
「ま、それもそうだな。」
本来俺に向くはずの感情が奏くん自身に向いてる…それが何より辛かった。
奏くんは何も悪くないのに、
「ぁ…もしかしたら自分のこと傷付けるかもっ!」
グッ
「だから、今はダメだって、奏くんのことはおばさんに頼んでるからお前はここにいろ。」
ベッドに座り直された。
「…でも…俺のせいで…」
「分かってるよ。けど、今行ったら逆効果だ。何回も言わせんな。」
「…ごめん…」
俺のせい…
数分前の自分の言動に対する後悔が絶えない。
はぁ…
俺は奏くんの心を傷付けた……謝って済む話でもない…
「はぁ……」
深い溜め息をこぼす。
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