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317、したいを聞いて 斗真side

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落ち着いたのか俺にもたれかかってぼーっと庭を眺めている。

もう夕方か、夕日に照らされて時間を感じる。
今日は朝から色々あったな。

色々あったけど今は落ち着いてるし今晩は眠れるかな。
あと3日、明明後日には俺の家に行く予定。
まぁ俺の仕事は基本在宅だからここでもできるんだけど…奏くんの様子を見ながら考えるか。


「斗真さん…」

「どうした?」

「チュー…チューしたい」

チュッ

「…もっと…もっとの方」

「っん…」

唇に触れるだけのキスをしたが奏くんが求めてるのはディープキスだった。
っといってもここじゃ流石に…

「だめ…?」

「ダメというか…外だから、どうした?不安になったのか?」

「…分かんない…でもチューしたい…」

こんなに奏くんが思いを口にすることも珍しい、言ってくれた時くらい叶えてやりたい。

「俺の部屋行こっか、」

コクリ

奏くんの手を引いて2階に向かう。

「おいでー、」

ベッドに座り膝に跨るよう促すと俯いて動かなくなってしまった。
怖くなったのか?そう思ったが耳まで真っ赤にさせている姿から恥ずかしいのだと分かった。
自分から誘ってきたのにいざキスするとなったら意識して恥ずかしくなったのか?笑
ほんと可愛いな笑

「大丈夫だよ。おいで、」

クッキーを抱きしめたままベッドに座った。

「っ…ちゅ…っ…チューする…」

「するけどもう少しリラックスしてからにしようか。」

強ばった肩を擦り、優しく包み込む。
緊張してるんだぁ。
怖がらせないようできるだけ優しく、そう心で唱えながら奏くんに触れる。
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