こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

268、食に対する気持ち 斗真side

今日はいつもより奏くんの食に対する気持ちが前向きな気がする。

ひと口目は不安そうだが、俺に続いて全てのおかずを挑戦していた。
しっかり噛んで、体も拒否することなく受け入れていた。

「デザート食べようか。」

ｺｸﾘ

薬が入ったゼリーも食べることができた。

「美味しかった?」

ｺｸﾘ
「美味しかたった、明日もごはんある?」

?…
「明日もあるよ。どうした?」

何か不安になることがあったのだろうか。
不安そうな目でこちらを見ている。

「いっぱい食べたから…」

っ…
「明日もちゃんとごはん食べれるよ。一緒に食べような。」

奏くんを抱きしめる。
沢山食べたから不安になったのか、確かにいつもより沢山食べたもんな。
以前の生活では毎日ごはんを腹いっぱい食べるなんてできなかったんだろうな。
食べてたごはんも生ゴミだったんだもんな…
今までと変化が大きすぎたら不安にもなるよな…

「明日の朝ごはんは何にしようか、何食べたい?」

「………斗真さんと一緒の…」

「一緒かー、じゃあご飯にしようかなー、卵焼きとお味噌汁にする?」

…ｺｸﾘ

まだ不安そうな顔をしている。

「一緒に朝ごはん作ろうね。」

ｺｸﾘ

「毎日ごはんはあるから、沢山食べていいんだよ。大丈夫。」

うちに来てから食べてはいるけどまだまだ体重は軽い、もっと食べて体重を増やさないとな…
体の調子がいい日はできるだけ沢山食べてほしい。


ｺｸﾘ
「朝ごはん…食べる」

「うん、食べような。」

ｺｸﾘ…ｺｸﾘ…

明日のごはんがイメージできたのか強張っていた体の力が抜け、俺に寄りかかる。