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242、明日の不安 斗真side

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「…斗真さん…お家…明日…?」

「ん?うん、そうだよ?どうした?」

「帰ってくる?」

「帰ってくるよ。ちょっとゆっくりしたらこの家に帰ってくるよ。」

…コクリ…

「怖いか?無理に行かなくてもいいんだよ?」

フルフル…
「大丈夫…大丈夫…大丈夫…」

大丈夫を繰り返しながらも体は正直で体に力が入り目には涙が溜まった。

「起きたら行くの?」

「うーん、何時でもいいよ。行けそうな時に行こ、難しかったら明後日でも明明後日でも、行けそうな時でいいよ。」

フルフル…
「明日…明日行く…」

「明日がいいの?」

コクリ…
「明日…大丈夫…斗真さんのお家だから…大丈夫…」

「そっか、頑張ってくれるんだね。ありがとう。」

ギューっと抱きしめると大粒の涙がポツリと落ちた。

そういえば少し距離あるけど車酔いとか大丈夫かな?

「車酔いとかしたことある?」

キョトン…

「車乗ってて、気持ち悪くなったことある?」

「…ない?」

あまりピンと来てないのか疑問形で返ってきた。

「ないのかな?ちょっと距離あるから気持ち悪くなったりしんどくなったら教えてね、」

コクリ

「よし、明日何持っていこうかな?」

「何か持っていくの?」

「んー、俺の家遊ぶものとか何も無いからな笑」

「遊ぶもの……お絵描き」

「良いね、紙とペンと色鉛筆と、あとは何かある?」

鞄に遊べるものを詰めていく。

「…おりがみ…」

「良いねー、」

確か、透が持ってきてくれたのがあったよなー


「あと…斗真さんの服…」

「俺の服?」

「斗真さんの匂いするの…持って行きたい。…」

「あー、いつも車で着てた服か?」

コクリ
「お家にも…持っていく…」

「良いよ。あれあったら安心する?」

コクリ
「斗真さんの匂い…ここが静かになる」

「胸が落ち着くのかな」

胸を擦りながら教えてくれた。

「お外行ったらね…ここがうるさくなって頭がグワーってなるの」

「そっか…しんどいな…」

「でも、斗真さんの匂いあったら静かになるの」

「そっか…、」

外に出るだけでとてつもないストレスなんだろうな…
家まで30分ほどかかるけど大丈夫かな…無理そうなら途中で引き返そう。
不安要素を削るために行くのにパニックを起こしたら余計不安になってしまうからな…それだけ防がなきゃな…
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