こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

神娘

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228、抑えたい気持ち 奏side

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気持ちを抑えることができなくて体に八つ当たりすることでしか落ち着くことができなくなっていた。
体を傷つけたらダメって分かってるのに…我慢できなくて手に力が入る。


「しんどいね、」

っ!フルフル

手首を掴んだ僕の手を優しく包み込む透さんの手の温もりが心の締め付けを緩めていく。

このままじゃ…また僕の心が…

「心がしんどい時は甘えたらいいんだよ。」

甘える?

「今みたいに無理に気持ちを抑え付けるんじゃなくて、斗真や俺に甘えたら自然と心は落ち着いてくれるよ。」

ほんとに?
…でも…甘えるってどうやって?

「おいで?」

斗真さんに呼ばれ、斗真さんの膝の上にまたがる。
ギュッと抱きしめられて斗真さんの温もりが伝わってくる。




っハッ!

もっと斗真さんを感じたい。足りないっていう我儘な僕がまた顔を出して慌てて斗真さんから体を離す。

「どうした?」

斗真さんと透さんに不思議そうに見られ、気持ちを抑えたくて俯く。

「嫌だった?」

フルフル
斗真さんに不安そうに聞かれ急いで首を横に振る。

嫌じゃない!そうじゃなくて、もっと斗真さんを感じたくてもっともっとって求めちゃうから…

「足りなくなっちゃった?」

っ?

透さんの言葉に心の中が見えてるみたいでドキッとする。

「斗真が足りないんじゃない?」

「え?俺が?」

「今まで斗真みたいな人がいなかったから反動で斗真を少し感じるともっと斗真を感じたいんじゃない?」

………
透さんに言い当てられて戸惑って俯く。

「そうなの?」

………コクリ
小さく頷いた。

「じゃあ、斗真でお腹いっぱいになったら気持ち落ち着くかもね。」

「そうなのか…どうしたらいい?どうしたら満足できる?」

「とりあえず一日中一緒にいるか?って、いつも一緒にいるか……うーん、2人きりの方が良いか、じゃあ俺リビングいるわ~何かあったら連絡してきて~」

「え?!それだけでいいの?!」

「あとは奏くんに聞いてみな、じゃっ!」

慌ただしく出ていく透を見送り斗真さんの顔をじっと見つめる。
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