こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

神娘

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222、伝わらないもどかしさ 奏side

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斗真さんがギューしたいって言うからさせてあげてる…
斗真さんのため…僕のためじゃない…
そう自分に言い聞かせる。

斗真さんの心を満たしたいのにやっぱり僕ばっかり満たされてる…
………っ……

もう……やだ………

「大丈夫、大丈夫、」

唇を噛んでぐっと涙を抑えると斗真さんが頭を押して胸に当てられる。

やだ…やだ…僕ばっかりやだ…

斗真さんの胸を押して顔を離す。

胸に温かいものが流れこんでくるのが怖くて斗真さんから距離をとる。

「嫌か、」

っ…っっ…
苦しいっ
浅い息を繰り返す。
息が上手くできなくて頭が真っ白になっていく。

「ゆっくり呼吸しようね、」

タオルを口に当てられ、余計息が吸えなくて斗真さんの腕を掴む。
掴んだ手は痺れて上手く力が入らない。

「怖くないよ。大丈夫、ゆっくりゆっくり、」

言われた通りにゆっくり呼吸をしたら少しづつ息が吸えるようになってきた。
その代わりに抑えていた涙がぼろぼろと零れてしまった。

もうやだ…もうやだよ…
色んな気持ちが頭をいっぱいにさせる。

「辛いな、」

っ!…フルフル
斗真さんの言葉に首を横に振る。

「そっか、辛いか、」

!フルフル
違う…辛い違う…

「辛いよ。」

フルフル 辛い違う!

「辛い」

「っ違う!辛い違う!」

首を横に振って否定してるのにそれが伝わらなくて、大きい声で否定した。

「辛い違うか、」

「辛い…違う…」

「そっか、分かったよ。
やっと話してくれた」

なぜか嬉しそうな顔をする斗真さんを見つめる。
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