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212、伝わった想い 奏side
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頭は重たいのに体はふわふわする。
斗真さん…
安心したくて伸ばした手をぎゅっと優しく握ってくれる。
離したくなくて絡んだ指に力がこもる。
「斗真さん…」
「大丈夫、ここにいるよ。」
そばにいてくれてる、体温も斗真さんの息も感じる距離にいるのに何故か心が離れていく気がして落ち着かない。
「大丈夫、大丈夫、お部屋行く?」
コクリ
2人きりになりたい、今以上に斗真さんを独り占めして斗真さんで心をいっぱいにしたい。
抱っこされ、和室に行くのかと思ったら向かったのは2階の斗真さんの部屋だった。
ガチャ
鍵を閉める音、
ドサッ
ドキッ!
暗い部屋の中でベッドに押し倒された。
エッチするの?
そう思ったが斗真さんは僕に覆いかぶさったまま動かない。
?
「ごめん、重たい?」
? フルフル
「ごめん…ちょっとだけ…ちょっとだけこのままでいさせて、」
…コクリ ?
どうしたんだろう…しんどいのかな?
「ごめん…ごめんな、」
フルフル
謝る斗真さんの肩は小さく揺れている。
背中に手を回すと震えが伝わってきた。
斗真さん?
何に謝っているのかも分からなくてじっと次の言葉を待つ。
「ごめん、さっき奏くんに怖い思いをさせてたって改めて感じてすごい反省した。俺、ちゃんと奏くんの気持ち考えれてなかった。」
フルフル
そんなことない、斗真さんはいつも僕のこと考えてくれてて、
「奏くんの目が覚めるまですごい怖かった。このまま戻ってこなかったらどうしようって思ったら俺の考えがどれだけ浅はかだったかが分かって…もう奏くんを傷付けないって誓ったのにまた傷付けて…もう、同じことはしないから。本当にごめん、ごめんな、」
震える声でしっかりと伝えてくれる言葉が静かに心に染み渡ってきた。
斗真さんは今までもここに来てからずっと僕のそばにいてくれて、僕のことを大切にしてくれていた。それは十分感じていた。それでもこうやってこれからのことを本気で考えてくれる想いに心が満たされていった。
「ありがとう」
短いが心の底から出たこの言葉に想いを全て乗せて届けた。
斗真さん…
安心したくて伸ばした手をぎゅっと優しく握ってくれる。
離したくなくて絡んだ指に力がこもる。
「斗真さん…」
「大丈夫、ここにいるよ。」
そばにいてくれてる、体温も斗真さんの息も感じる距離にいるのに何故か心が離れていく気がして落ち着かない。
「大丈夫、大丈夫、お部屋行く?」
コクリ
2人きりになりたい、今以上に斗真さんを独り占めして斗真さんで心をいっぱいにしたい。
抱っこされ、和室に行くのかと思ったら向かったのは2階の斗真さんの部屋だった。
ガチャ
鍵を閉める音、
ドサッ
ドキッ!
暗い部屋の中でベッドに押し倒された。
エッチするの?
そう思ったが斗真さんは僕に覆いかぶさったまま動かない。
?
「ごめん、重たい?」
? フルフル
「ごめん…ちょっとだけ…ちょっとだけこのままでいさせて、」
…コクリ ?
どうしたんだろう…しんどいのかな?
「ごめん…ごめんな、」
フルフル
謝る斗真さんの肩は小さく揺れている。
背中に手を回すと震えが伝わってきた。
斗真さん?
何に謝っているのかも分からなくてじっと次の言葉を待つ。
「ごめん、さっき奏くんに怖い思いをさせてたって改めて感じてすごい反省した。俺、ちゃんと奏くんの気持ち考えれてなかった。」
フルフル
そんなことない、斗真さんはいつも僕のこと考えてくれてて、
「奏くんの目が覚めるまですごい怖かった。このまま戻ってこなかったらどうしようって思ったら俺の考えがどれだけ浅はかだったかが分かって…もう奏くんを傷付けないって誓ったのにまた傷付けて…もう、同じことはしないから。本当にごめん、ごめんな、」
震える声でしっかりと伝えてくれる言葉が静かに心に染み渡ってきた。
斗真さんは今までもここに来てからずっと僕のそばにいてくれて、僕のことを大切にしてくれていた。それは十分感じていた。それでもこうやってこれからのことを本気で考えてくれる想いに心が満たされていった。
「ありがとう」
短いが心の底から出たこの言葉に想いを全て乗せて届けた。
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