212 / 725
212、伝わった想い 奏side
しおりを挟む
頭は重たいのに体はふわふわする。
斗真さん…
安心したくて伸ばした手をぎゅっと優しく握ってくれる。
離したくなくて絡んだ指に力がこもる。
「斗真さん…」
「大丈夫、ここにいるよ。」
そばにいてくれてる、体温も斗真さんの息も感じる距離にいるのに何故か心が離れていく気がして落ち着かない。
「大丈夫、大丈夫、お部屋行く?」
コクリ
2人きりになりたい、今以上に斗真さんを独り占めして斗真さんで心をいっぱいにしたい。
抱っこされ、和室に行くのかと思ったら向かったのは2階の斗真さんの部屋だった。
ガチャ
鍵を閉める音、
ドサッ
ドキッ!
暗い部屋の中でベッドに押し倒された。
エッチするの?
そう思ったが斗真さんは僕に覆いかぶさったまま動かない。
?
「ごめん、重たい?」
? フルフル
「ごめん…ちょっとだけ…ちょっとだけこのままでいさせて、」
…コクリ ?
どうしたんだろう…しんどいのかな?
「ごめん…ごめんな、」
フルフル
謝る斗真さんの肩は小さく揺れている。
背中に手を回すと震えが伝わってきた。
斗真さん?
何に謝っているのかも分からなくてじっと次の言葉を待つ。
「ごめん、さっき奏くんに怖い思いをさせてたって改めて感じてすごい反省した。俺、ちゃんと奏くんの気持ち考えれてなかった。」
フルフル
そんなことない、斗真さんはいつも僕のこと考えてくれてて、
「奏くんの目が覚めるまですごい怖かった。このまま戻ってこなかったらどうしようって思ったら俺の考えがどれだけ浅はかだったかが分かって…もう奏くんを傷付けないって誓ったのにまた傷付けて…もう、同じことはしないから。本当にごめん、ごめんな、」
震える声でしっかりと伝えてくれる言葉が静かに心に染み渡ってきた。
斗真さんは今までもここに来てからずっと僕のそばにいてくれて、僕のことを大切にしてくれていた。それは十分感じていた。それでもこうやってこれからのことを本気で考えてくれる想いに心が満たされていった。
「ありがとう」
短いが心の底から出たこの言葉に想いを全て乗せて届けた。
斗真さん…
安心したくて伸ばした手をぎゅっと優しく握ってくれる。
離したくなくて絡んだ指に力がこもる。
「斗真さん…」
「大丈夫、ここにいるよ。」
そばにいてくれてる、体温も斗真さんの息も感じる距離にいるのに何故か心が離れていく気がして落ち着かない。
「大丈夫、大丈夫、お部屋行く?」
コクリ
2人きりになりたい、今以上に斗真さんを独り占めして斗真さんで心をいっぱいにしたい。
抱っこされ、和室に行くのかと思ったら向かったのは2階の斗真さんの部屋だった。
ガチャ
鍵を閉める音、
ドサッ
ドキッ!
暗い部屋の中でベッドに押し倒された。
エッチするの?
そう思ったが斗真さんは僕に覆いかぶさったまま動かない。
?
「ごめん、重たい?」
? フルフル
「ごめん…ちょっとだけ…ちょっとだけこのままでいさせて、」
…コクリ ?
どうしたんだろう…しんどいのかな?
「ごめん…ごめんな、」
フルフル
謝る斗真さんの肩は小さく揺れている。
背中に手を回すと震えが伝わってきた。
斗真さん?
何に謝っているのかも分からなくてじっと次の言葉を待つ。
「ごめん、さっき奏くんに怖い思いをさせてたって改めて感じてすごい反省した。俺、ちゃんと奏くんの気持ち考えれてなかった。」
フルフル
そんなことない、斗真さんはいつも僕のこと考えてくれてて、
「奏くんの目が覚めるまですごい怖かった。このまま戻ってこなかったらどうしようって思ったら俺の考えがどれだけ浅はかだったかが分かって…もう奏くんを傷付けないって誓ったのにまた傷付けて…もう、同じことはしないから。本当にごめん、ごめんな、」
震える声でしっかりと伝えてくれる言葉が静かに心に染み渡ってきた。
斗真さんは今までもここに来てからずっと僕のそばにいてくれて、僕のことを大切にしてくれていた。それは十分感じていた。それでもこうやってこれからのことを本気で考えてくれる想いに心が満たされていった。
「ありがとう」
短いが心の底から出たこの言葉に想いを全て乗せて届けた。
46
お気に入りに追加
854
あなたにおすすめの小説

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

うちの前に落ちてたかわいい男の子を拾ってみました。
まつも☆きらら
BL
ある日、弟の海斗とマンションの前にダンボールに入れられ放置されていた傷だらけの美少年『瑞希』を拾った優斗。『1ヵ月だけ置いて』と言われ一緒に暮らし始めるが、どこか危うい雰囲気を漂わせた瑞希に翻弄される海斗と優斗。自分のことは何も聞かないでと言われるが、瑞希のことが気になって仕方ない2人は休みの日に瑞希の後を尾けることに。そこで見たのは、中年の男から金を受け取る瑞希の姿だった・・・・。


身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる