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209、感情表現 斗真side
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奏くんは口をもぐもぐして美味しそうに食べているが、抑えられず大粒の涙が頬を伝う。
嬉し涙。
まだ表情や言葉での感情表現が乏しい奏くんはうちに来て一番初めに取り戻した表現の涙で感情を表すことが増えてきた。
服やおもちゃをプレゼントした時も嬉しさで感極まって泣いていた。
嬉しい時は笑みがこぼれる。それはまだまだ難易度が高いことなんだろう。
「苦しい?」
泣いているせいで苦しくなっているのかか、胸元を掴んでいる。
フルフル 「たべる…」
「うん、好きなだけ食べていいよ。けど、ちょっとだけ落ち着こうか、」
「っ!たべるっ」
一度落ち着かせようと皿を少し引くと取られると思ったのか慌てて手が伸びてくる。
「取らないよ。大丈夫、大丈夫、これは奏くんのだもんね。」
「ぼくの…ぼくの…」
「うん、大丈夫、でも今胸がギューってなって辛いんじゃない?」
フルフル
「辛い…ない…」
辛い『ない』か、本当の気持ちを隠す時の言い方だ。
ま、そんな簡単に辛いって言ってくれるとは思ってなかったけど、
「そっかー、じゃあ、もっとご飯が美味しくなるおまじない教えてあげよっか。」
「もっと?」
「うん、もっと美味しくなるよ。やってみる?」
「やるっ」
おっ食いついてきた。
「まずは、フォークを置いて、」
強く握りしめたフォークから指を離していく。
こんな握りしめて、一生懸命食べてたんだな。
「そう、次はゆっくーり深呼吸をしようか、 吸ってー、吐いてー、そー、吸ってー、吐いてー、もう1回吸ってー、吐いてー、上手だよー、」
しゃくりあげながらも俺に合わせてゆっくりと深呼吸をしてくれた。
「ちょっと顔拭こうか、」
涙が渇いた顔を温かいタオルで拭いてあげる。
「おっ、可愛い顔になった。
最後はお茶を飲んだらおまじない完了。」
「……ゴクッ」
お茶を飲んだ奏くんは早く皿を返せと言わんばかりにさっき引いた皿に手を伸ばす笑
「ゆっくり食べるんだよ。」
パクッ
っ!
「美味しいね。」
「っ!コクリ 美味しいっ!」
「うん、美味しいね。」
「美味しいっ美味しいっ」
「そっか、良かったな。」
気持ちが一度落ち着いて『美味しい』と、言葉で表現できるようになった。
涙が止まって呼吸も落ち着いたから、胸の痛みや苦しさもなくなって味に集中できて美味しく感じた…かな?
正直美味しくなるおまじないは奏くんの気を引くために言ったことだけど、この反応はさっきより美味しく感じてくれてるぽいな笑
良かった、
「斗真さんも食べる」
「おっ!ありがとう、 んっ!美味しい」
美味しいを共有しようと俺の皿にも入れてくれた。
感情の共有か、
俺からも表情や言葉、仕草から嬉しい時の感情表現の仕方学んでくれるかな?
それなら、ちゃんとお手本になんないとな。
嬉し涙。
まだ表情や言葉での感情表現が乏しい奏くんはうちに来て一番初めに取り戻した表現の涙で感情を表すことが増えてきた。
服やおもちゃをプレゼントした時も嬉しさで感極まって泣いていた。
嬉しい時は笑みがこぼれる。それはまだまだ難易度が高いことなんだろう。
「苦しい?」
泣いているせいで苦しくなっているのかか、胸元を掴んでいる。
フルフル 「たべる…」
「うん、好きなだけ食べていいよ。けど、ちょっとだけ落ち着こうか、」
「っ!たべるっ」
一度落ち着かせようと皿を少し引くと取られると思ったのか慌てて手が伸びてくる。
「取らないよ。大丈夫、大丈夫、これは奏くんのだもんね。」
「ぼくの…ぼくの…」
「うん、大丈夫、でも今胸がギューってなって辛いんじゃない?」
フルフル
「辛い…ない…」
辛い『ない』か、本当の気持ちを隠す時の言い方だ。
ま、そんな簡単に辛いって言ってくれるとは思ってなかったけど、
「そっかー、じゃあ、もっとご飯が美味しくなるおまじない教えてあげよっか。」
「もっと?」
「うん、もっと美味しくなるよ。やってみる?」
「やるっ」
おっ食いついてきた。
「まずは、フォークを置いて、」
強く握りしめたフォークから指を離していく。
こんな握りしめて、一生懸命食べてたんだな。
「そう、次はゆっくーり深呼吸をしようか、 吸ってー、吐いてー、そー、吸ってー、吐いてー、もう1回吸ってー、吐いてー、上手だよー、」
しゃくりあげながらも俺に合わせてゆっくりと深呼吸をしてくれた。
「ちょっと顔拭こうか、」
涙が渇いた顔を温かいタオルで拭いてあげる。
「おっ、可愛い顔になった。
最後はお茶を飲んだらおまじない完了。」
「……ゴクッ」
お茶を飲んだ奏くんは早く皿を返せと言わんばかりにさっき引いた皿に手を伸ばす笑
「ゆっくり食べるんだよ。」
パクッ
っ!
「美味しいね。」
「っ!コクリ 美味しいっ!」
「うん、美味しいね。」
「美味しいっ美味しいっ」
「そっか、良かったな。」
気持ちが一度落ち着いて『美味しい』と、言葉で表現できるようになった。
涙が止まって呼吸も落ち着いたから、胸の痛みや苦しさもなくなって味に集中できて美味しく感じた…かな?
正直美味しくなるおまじないは奏くんの気を引くために言ったことだけど、この反応はさっきより美味しく感じてくれてるぽいな笑
良かった、
「斗真さんも食べる」
「おっ!ありがとう、 んっ!美味しい」
美味しいを共有しようと俺の皿にも入れてくれた。
感情の共有か、
俺からも表情や言葉、仕草から嬉しい時の感情表現の仕方学んでくれるかな?
それなら、ちゃんとお手本になんないとな。
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