203 / 714
203、穏やかな顔 奏side
しおりを挟む
お風呂では明日も遊ぶって約束したけど、もしかしたらもう遊べないかもしれない…
そんな不安がよぎって聞いてみたら明日も遊んでいいって言ってくれた。
良かった、
安心したら体の力がすっと抜けてそのまま眠ってしまった。
斗真さんの体温を感じながら時間が過ぎていく。
体はもうしんどくも気持ち悪くもない。
けど、病院行ったりお風呂で遊んだりしてちょっと疲れちゃったみたい。
斗真さんの「おやすみ」の声を聞いてそのまま眠りの落ちた。
……っ……
ん…
ここどこだっけ…
見渡すと小さな光が見えた。
その光の中から誰かが歩いてこっちに来る。
誰?
近づいてきて顔が見えた…
お父さんとお母さん…?
2人は穏やかな顔で僕を見つめている。
こんな顔久しぶりに見た。
いつも2人は僕を見る度ため息をついてイライラしていた。
幼い頃に戻った感覚がした。
ほとんど覚えてないけど、2歳とか3歳の時は2人とも優しかったんだ。
いつも笑ってて、僕の大好きなお父さんとお母さんだった…
もうあの頃の2人には会えない…
そう思ってた…
僕が役立たずだから…2人がイライラして僕の体を殴る。
僕を殴る時は2人とも楽しそうに笑うんだ…2人が笑ってくれるなら痛みも我慢できる…
そう思ってた…
僕にはそのくらいしか役に立てることないから…
………_______________
っ!
2人が離れていく!
行かないで!待って!待って!
手を伸ばして追いかけようと走るけど足が重たくて早く走れない。
行かないで!お父さん!お母さん!
叫んでるはずなのに喉からは音にならない声がこぼれるだけだった。
この真っ暗な世界に一人ぼっち…
地面に座り込んでぼーっと足を見つめる。
置いていかないで…一人にしないで…
一人ぼっち…僕はなんのためにいるの…
誰の役にも立てないなら…居ないのと同じ…
自分が存在する意味が分からない…
誰かが…
僕のこと必要って言って…嘘でもいいから…
「…、奏くん、起きて、奏くん、」
ユサユサ
体を揺すられゆっくりと目を開ける。
ここ…どこ…
さっきいたとこは…夢?
「怖い夢見た?大丈夫?」
僕の頬を触る斗真さんの手には僕の涙がついていた。
僕…泣いてたんだ…
「もう怖くないからね、大丈夫、大丈夫、」
優しく包み込んでくれた腕の中で静かに涙が次々と溢れた。
そんな不安がよぎって聞いてみたら明日も遊んでいいって言ってくれた。
良かった、
安心したら体の力がすっと抜けてそのまま眠ってしまった。
斗真さんの体温を感じながら時間が過ぎていく。
体はもうしんどくも気持ち悪くもない。
けど、病院行ったりお風呂で遊んだりしてちょっと疲れちゃったみたい。
斗真さんの「おやすみ」の声を聞いてそのまま眠りの落ちた。
……っ……
ん…
ここどこだっけ…
見渡すと小さな光が見えた。
その光の中から誰かが歩いてこっちに来る。
誰?
近づいてきて顔が見えた…
お父さんとお母さん…?
2人は穏やかな顔で僕を見つめている。
こんな顔久しぶりに見た。
いつも2人は僕を見る度ため息をついてイライラしていた。
幼い頃に戻った感覚がした。
ほとんど覚えてないけど、2歳とか3歳の時は2人とも優しかったんだ。
いつも笑ってて、僕の大好きなお父さんとお母さんだった…
もうあの頃の2人には会えない…
そう思ってた…
僕が役立たずだから…2人がイライラして僕の体を殴る。
僕を殴る時は2人とも楽しそうに笑うんだ…2人が笑ってくれるなら痛みも我慢できる…
そう思ってた…
僕にはそのくらいしか役に立てることないから…
………_______________
っ!
2人が離れていく!
行かないで!待って!待って!
手を伸ばして追いかけようと走るけど足が重たくて早く走れない。
行かないで!お父さん!お母さん!
叫んでるはずなのに喉からは音にならない声がこぼれるだけだった。
この真っ暗な世界に一人ぼっち…
地面に座り込んでぼーっと足を見つめる。
置いていかないで…一人にしないで…
一人ぼっち…僕はなんのためにいるの…
誰の役にも立てないなら…居ないのと同じ…
自分が存在する意味が分からない…
誰かが…
僕のこと必要って言って…嘘でもいいから…
「…、奏くん、起きて、奏くん、」
ユサユサ
体を揺すられゆっくりと目を開ける。
ここ…どこ…
さっきいたとこは…夢?
「怖い夢見た?大丈夫?」
僕の頬を触る斗真さんの手には僕の涙がついていた。
僕…泣いてたんだ…
「もう怖くないからね、大丈夫、大丈夫、」
優しく包み込んでくれた腕の中で静かに涙が次々と溢れた。
58
お気に入りに追加
848
あなたにおすすめの小説
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる