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203、穏やかな顔 奏side
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お風呂では明日も遊ぶって約束したけど、もしかしたらもう遊べないかもしれない…
そんな不安がよぎって聞いてみたら明日も遊んでいいって言ってくれた。
良かった、
安心したら体の力がすっと抜けてそのまま眠ってしまった。
斗真さんの体温を感じながら時間が過ぎていく。
体はもうしんどくも気持ち悪くもない。
けど、病院行ったりお風呂で遊んだりしてちょっと疲れちゃったみたい。
斗真さんの「おやすみ」の声を聞いてそのまま眠りの落ちた。
……っ……
ん…
ここどこだっけ…
見渡すと小さな光が見えた。
その光の中から誰かが歩いてこっちに来る。
誰?
近づいてきて顔が見えた…
お父さんとお母さん…?
2人は穏やかな顔で僕を見つめている。
こんな顔久しぶりに見た。
いつも2人は僕を見る度ため息をついてイライラしていた。
幼い頃に戻った感覚がした。
ほとんど覚えてないけど、2歳とか3歳の時は2人とも優しかったんだ。
いつも笑ってて、僕の大好きなお父さんとお母さんだった…
もうあの頃の2人には会えない…
そう思ってた…
僕が役立たずだから…2人がイライラして僕の体を殴る。
僕を殴る時は2人とも楽しそうに笑うんだ…2人が笑ってくれるなら痛みも我慢できる…
そう思ってた…
僕にはそのくらいしか役に立てることないから…
………_______________
っ!
2人が離れていく!
行かないで!待って!待って!
手を伸ばして追いかけようと走るけど足が重たくて早く走れない。
行かないで!お父さん!お母さん!
叫んでるはずなのに喉からは音にならない声がこぼれるだけだった。
この真っ暗な世界に一人ぼっち…
地面に座り込んでぼーっと足を見つめる。
置いていかないで…一人にしないで…
一人ぼっち…僕はなんのためにいるの…
誰の役にも立てないなら…居ないのと同じ…
自分が存在する意味が分からない…
誰かが…
僕のこと必要って言って…嘘でもいいから…
「…、奏くん、起きて、奏くん、」
ユサユサ
体を揺すられゆっくりと目を開ける。
ここ…どこ…
さっきいたとこは…夢?
「怖い夢見た?大丈夫?」
僕の頬を触る斗真さんの手には僕の涙がついていた。
僕…泣いてたんだ…
「もう怖くないからね、大丈夫、大丈夫、」
優しく包み込んでくれた腕の中で静かに涙が次々と溢れた。
そんな不安がよぎって聞いてみたら明日も遊んでいいって言ってくれた。
良かった、
安心したら体の力がすっと抜けてそのまま眠ってしまった。
斗真さんの体温を感じながら時間が過ぎていく。
体はもうしんどくも気持ち悪くもない。
けど、病院行ったりお風呂で遊んだりしてちょっと疲れちゃったみたい。
斗真さんの「おやすみ」の声を聞いてそのまま眠りの落ちた。
……っ……
ん…
ここどこだっけ…
見渡すと小さな光が見えた。
その光の中から誰かが歩いてこっちに来る。
誰?
近づいてきて顔が見えた…
お父さんとお母さん…?
2人は穏やかな顔で僕を見つめている。
こんな顔久しぶりに見た。
いつも2人は僕を見る度ため息をついてイライラしていた。
幼い頃に戻った感覚がした。
ほとんど覚えてないけど、2歳とか3歳の時は2人とも優しかったんだ。
いつも笑ってて、僕の大好きなお父さんとお母さんだった…
もうあの頃の2人には会えない…
そう思ってた…
僕が役立たずだから…2人がイライラして僕の体を殴る。
僕を殴る時は2人とも楽しそうに笑うんだ…2人が笑ってくれるなら痛みも我慢できる…
そう思ってた…
僕にはそのくらいしか役に立てることないから…
………_______________
っ!
2人が離れていく!
行かないで!待って!待って!
手を伸ばして追いかけようと走るけど足が重たくて早く走れない。
行かないで!お父さん!お母さん!
叫んでるはずなのに喉からは音にならない声がこぼれるだけだった。
この真っ暗な世界に一人ぼっち…
地面に座り込んでぼーっと足を見つめる。
置いていかないで…一人にしないで…
一人ぼっち…僕はなんのためにいるの…
誰の役にも立てないなら…居ないのと同じ…
自分が存在する意味が分からない…
誰かが…
僕のこと必要って言って…嘘でもいいから…
「…、奏くん、起きて、奏くん、」
ユサユサ
体を揺すられゆっくりと目を開ける。
ここ…どこ…
さっきいたとこは…夢?
「怖い夢見た?大丈夫?」
僕の頬を触る斗真さんの手には僕の涙がついていた。
僕…泣いてたんだ…
「もう怖くないからね、大丈夫、大丈夫、」
優しく包み込んでくれた腕の中で静かに涙が次々と溢れた。
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