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197、お風呂 奏side

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勢いでお風呂まで来たけどいつも通り脱衣所で硬くなる。

それでも斗真さんは怒らずそばで待ってくれている。
今日は斗真さんとお風呂で遊ぶって約束してたから…
見たことないものばかりで、どうやって遊ぶのかも知らないけどすっごい楽しみにしてたのに…

お風呂ってだけで体は言うことを聞かなくなる…服を握る手は震えて、喉に何かが違和感を感じた。
息ができないわけじゃない…できるけど深く吸えなくて浅い呼吸を繰り返す。

「大丈夫、大丈夫、ゆっくりで良いからね。」

斗真さんが包み込むように抱きしめてくれる。

「…お風呂…入る…」

「うん、入ろうね。」

深呼吸を何度か繰り返し、服を掴む手に力を込める。お腹までは脱げたけど服が顔に掛かって前が見えないことで怖くなった。

「大丈夫、大丈夫、」

サポーターがついてることもあって最後は斗真さんに手伝ってもらった。

「サポーターのカバーつけようね。」

コクリ

「よしっ、行こっか、」

おもちゃを持ってお風呂に入った。

湯船には蓋が付いていて、中が見えないようになっている。

お風呂に入るとすぐ椅子に座って斗真さんが洗ってくれるのを待った。

「お湯の温度このくらいで大丈夫?」

恐る恐る指をシャワーに当てると温かいお湯が手の甲に伝う。
斗真さんのお家のお湯はいつも温かい。


コクリ

「じゃあ頭濡らすねー」

目をグッと瞑る。

「シャンプーするよー、」

コクリ

斗真さんの手つきは優しく頭をマッサージしてくれてるみたいで気持ち良い。
温かい上に斗真さんの気落ち良い手つきで眠ってしまいそうになる。


「流すから目瞑っててねー」

コクリ

閉じた目に力を入れる。

「次リンスするねー、」

コクリ





「流すよー、」

コクリ

「次は体ねー、」

「斗真さんの洗う、」

「良いよー、洗いあいっこしようか、」

向き合ってお互いの体に泡をつけていく。

「綺麗になった?」

コクリ
「綺麗なった」

「ありがとー、流すねー、」

「俺も頭洗うからちょっと待っててねー、」

コクリ

泡を流し終え、斗真さんが頭を洗い終えるのを待つことにした。
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