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191、終わったよ。 斗真side
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レントゲンを終え戻ってきた奏くんは俯いたまま自分の腕を掴んでいた。
レントゲン嫌だったのかな?
「どうした?怖かった?」
優しく包み込むように抱きしめたが手の力はどんどん強くなるばかり、
「どうした?もう終わったよ?」
フルフル
俯いたまま首を横に振る。
「終わったよ?」
フルフル
優咲さんは今日はこれで終わりって言ってたけど何かしたいことがあるのかな?
「終わってないの?」
コクリ…
うーん、
「あとなんだろう?」
腕から手を離しズボンに手をかけた。
その手はさっきと同じように震えている。
「そこはお家帰ってからで良いよ?お薬貰うからお家でゆっくりしようね。」
フルフル
体は嫌がってるのに奏くんはなかなか引こうとしない。
それに気付いた優咲さんも来てくれた。
「頑張れそう?」
………コクリ…
「じゃあ、頑張ってもらおうかな、」
…コクリ
「じゃあ下脱いだらベッドにごろんできる?」
…コクリ……
頷いてはいるがなかなか手は動かない。
「斗真さんに手伝ってもらう?」
…コクリ…
震える手で俺の手を自分のズボンに誘導する。
「脱がしていいの?」
コクリ…
「脱がすね、」
ズボンを脱がすと裾をグッと握る。
「頑張ったね~そのまま怪我見せてね~」
脚にも切り傷や痣がある。
「大丈夫だよ~痛くない薬塗っとこうね~」
ビクッ
切り傷に薬を塗られ脚がガクガク震える。
倒れないように支える。
俯いたまま俺の腹に頭を当てる。
「ありがと~じゃあパンツも脱いでベッドに行けるかな?」
……コクリ…
頷いてまた震える手で俺の手を掴む。
「脱がすね、」
コクリ…
「ありがとう、じゃあベッドに膝付いて、上半身はこっちね~そう、斗真さんはここに座って頭とか背中とか撫でてあげてください。」
胡座をかいた太ももに奏くんの頭が乗るような体制にした。
「そう、上手、そのまま背中落とせるかな~?」
お尻を突き出した状態になり、奏くんは俺の服をギュッと握りしめる。
「大丈夫、大丈夫、りら~っくす、お尻切れてないか診るだけだからね~
気持ち悪いけどちょっと我慢ね~」
お尻を触られる度に体が強ばり肩が上がる。
「大丈夫、大丈夫、ゆっくーり深呼吸しようか~、吸って~吐いて~、そ~上手だよ~もう1回吸って~吐いて~」
ッビクッ
「大丈夫、大丈夫、大きく息吐くよ~そ~上手」
指が中に入った途端体に力が入ったが、奏くんは必死に息を吐いて力を抜こうとしている。
前に座薬を入れた時もこうやって息を吐いていた。
それは、尻に異物が入ってる時こうやって息を吐いて力を抜いたら痛くないってことを覚えてる証拠だ。
この歳で、そんな事を覚えなきゃいけなかったったんだと思うと胸が痛んだ。
「はい、終わったよ~頑張ったね~」
優咲さんは終わったことを伝えると、虚ろな目で荒い息を繰り返す奏くんの下着とズボンを素早く履かせ、毛布を掛けた。
「斗真さん、毛布越しに抱きしめてあげてください。」
「あ…はい、」
優咲さんに言われた通り毛布で包んだまま奏くんを抱きしめる。
いつもなら胸に顔を擦り付けるのに、ぴとっと、胸に頬を当てたままどこかを見つめている。
マルも心配そうにベッドに乗って奏くんの顔を見ている。
マルはまるで、奏くんの異変を俺に知らせるかのように俺と奏くんを交互に見てくる。
「大丈夫、大丈夫だよ。」
自分に言い聞かせるようにマルの頭を撫でてそう言った。
奏くんは頑張ったんだ。本当は凄い怖くて逃げ出したいことなのに、最後まで恐怖に立ち向かった。
それは、体の力を抜こうと息を吐きながらも俺の服を握る力が弱まるどころか強くなってくのを俺はこの目で見ていたから、分かる。
怖い、嫌だ…助けて…本当は言いたかったのも分かってる。分かってるから、
「もう終わったから、帰ろうね。」
そう呟いて、優しく頭を撫でると聞こえたのか一滴の涙が静かに頬を伝った。
レントゲン嫌だったのかな?
「どうした?怖かった?」
優しく包み込むように抱きしめたが手の力はどんどん強くなるばかり、
「どうした?もう終わったよ?」
フルフル
俯いたまま首を横に振る。
「終わったよ?」
フルフル
優咲さんは今日はこれで終わりって言ってたけど何かしたいことがあるのかな?
「終わってないの?」
コクリ…
うーん、
「あとなんだろう?」
腕から手を離しズボンに手をかけた。
その手はさっきと同じように震えている。
「そこはお家帰ってからで良いよ?お薬貰うからお家でゆっくりしようね。」
フルフル
体は嫌がってるのに奏くんはなかなか引こうとしない。
それに気付いた優咲さんも来てくれた。
「頑張れそう?」
………コクリ…
「じゃあ、頑張ってもらおうかな、」
…コクリ
「じゃあ下脱いだらベッドにごろんできる?」
…コクリ……
頷いてはいるがなかなか手は動かない。
「斗真さんに手伝ってもらう?」
…コクリ…
震える手で俺の手を自分のズボンに誘導する。
「脱がしていいの?」
コクリ…
「脱がすね、」
ズボンを脱がすと裾をグッと握る。
「頑張ったね~そのまま怪我見せてね~」
脚にも切り傷や痣がある。
「大丈夫だよ~痛くない薬塗っとこうね~」
ビクッ
切り傷に薬を塗られ脚がガクガク震える。
倒れないように支える。
俯いたまま俺の腹に頭を当てる。
「ありがと~じゃあパンツも脱いでベッドに行けるかな?」
……コクリ…
頷いてまた震える手で俺の手を掴む。
「脱がすね、」
コクリ…
「ありがとう、じゃあベッドに膝付いて、上半身はこっちね~そう、斗真さんはここに座って頭とか背中とか撫でてあげてください。」
胡座をかいた太ももに奏くんの頭が乗るような体制にした。
「そう、上手、そのまま背中落とせるかな~?」
お尻を突き出した状態になり、奏くんは俺の服をギュッと握りしめる。
「大丈夫、大丈夫、りら~っくす、お尻切れてないか診るだけだからね~
気持ち悪いけどちょっと我慢ね~」
お尻を触られる度に体が強ばり肩が上がる。
「大丈夫、大丈夫、ゆっくーり深呼吸しようか~、吸って~吐いて~、そ~上手だよ~もう1回吸って~吐いて~」
ッビクッ
「大丈夫、大丈夫、大きく息吐くよ~そ~上手」
指が中に入った途端体に力が入ったが、奏くんは必死に息を吐いて力を抜こうとしている。
前に座薬を入れた時もこうやって息を吐いていた。
それは、尻に異物が入ってる時こうやって息を吐いて力を抜いたら痛くないってことを覚えてる証拠だ。
この歳で、そんな事を覚えなきゃいけなかったったんだと思うと胸が痛んだ。
「はい、終わったよ~頑張ったね~」
優咲さんは終わったことを伝えると、虚ろな目で荒い息を繰り返す奏くんの下着とズボンを素早く履かせ、毛布を掛けた。
「斗真さん、毛布越しに抱きしめてあげてください。」
「あ…はい、」
優咲さんに言われた通り毛布で包んだまま奏くんを抱きしめる。
いつもなら胸に顔を擦り付けるのに、ぴとっと、胸に頬を当てたままどこかを見つめている。
マルも心配そうにベッドに乗って奏くんの顔を見ている。
マルはまるで、奏くんの異変を俺に知らせるかのように俺と奏くんを交互に見てくる。
「大丈夫、大丈夫だよ。」
自分に言い聞かせるようにマルの頭を撫でてそう言った。
奏くんは頑張ったんだ。本当は凄い怖くて逃げ出したいことなのに、最後まで恐怖に立ち向かった。
それは、体の力を抜こうと息を吐きながらも俺の服を握る力が弱まるどころか強くなってくのを俺はこの目で見ていたから、分かる。
怖い、嫌だ…助けて…本当は言いたかったのも分かってる。分かってるから、
「もう終わったから、帰ろうね。」
そう呟いて、優しく頭を撫でると聞こえたのか一滴の涙が静かに頬を伝った。
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