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189、マルくんがいるから 奏side
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わんちゃんと散歩をした。
お部屋を出たらやっぱりちょっと怖かったけど、わんちゃんが一緒に歩いてくれたから優咲さんのお部屋まで歩くことができた。
歩いてる途中何度も脚が固くなって止まりそうになったけどその度にわんちゃんが振り向いてくれてゆっくりだったけどしっかり歩けた。
「到着~ここだよ~」
優咲さんのお部屋に入った途端脚に力が入らなくなってストンとその場に座り込んだ。
「頑張ったね。」
後ろから斗真さんが抱きしめてくれた。
わんちゃんも顔を覗き込んでくる。
あ…わんちゃんの紐…持ったままだ…
腕に通した紐を取ろうとするけど手が震えてなかなか外れない…
「大丈夫、大丈夫、」
斗真さんが外して優咲さんに渡してくれた。
僕が紐を持ってたからわんちゃんが離れられないと思ったのに、外した今もわんちゃんは僕の隣に座って顔を見てくる。
「マルも心配してくれてるんだよ~」
優咲さんがわんちゃん、マルくんの気持ちを教えてくれた。
マルくんを見るとゆらゆらっとしっぽが揺れた。
震える自分の手を見つめているとその上にマルの手が乗る。
…?
上はふわふわだけど下はぷにぷにする、
気持ちよくてずっと触っていたくなる。
初めて触る感触…
片手をあげているのが疲れたのか僕の脚の上に顎を置いて寝そべる。
手を床にそっと下ろし頭を撫でると目を細める。
眠たいのかな?
「マル~まだ寝ないよ~」
優咲さんに言われて大きい欠伸をして優咲さんの元に行く。
「奏くん今から診察頑張れるかな?」
コクリ
そういえば手の震えも治まってる。
脚にも力が入る。
「ベッドとクッションどっちがいい?」
前回と同じくベッドを指さしてベッドに座る。
「まずは、お胸の音聞かせてくれるかな~ちょっとひんやりするよ~」
服の中に手が入って来るのが怖くて体に力が入る。
「だーいじょうぶ、ゆっくーり深呼吸しようね~吸って~、吐いて~、そー、上手。もう1回吸って~、吐いて~、…
胸の音は大丈夫かな~
次後ろ向ける?」
コクリ…
「触るね~」
…コクリ
やっぱり怖くてなかなか力が抜けない。
「マル~」
マルくんがベッドに乗って僕の足元に来てくれた。
「よしよししてあげて~」
ふわふわに触れるとなんだか心が軽くなって肩の力が抜けていった。
「終わったよ~頑張ったね~斗真さんにぎゅーしてもらおうか、」
コクリ…
「おいでー、」
両手を広げ手待ってくれてる斗真さんの胸に飛び込んだ。
斗真さんの匂い、安心したくてたくさん顔を擦り付けた。
「じゃあ次は体見せてほしいから、上の服脱げるかな?」
……コクリ
頷いたものの怖くて裾を持ったまま固まってしまった。
脱がなきゃ…分かってるのに体が言うことを聞いてくれない…
また…黒いものが流れて来ちゃう…
ペロッ
手に温かいものが触れる。
マルくん?
ペロッ
マルくんが手を舐めてくれた。
マルくんの顔には絵の具付いてない。
ゆっくりと見上げるとみんなの顔にも黒い絵の具は付いていなかった。
小さく深呼吸をして、一気に服を脱いだ。
「ありがとう、体見せてね~」
優咲さんが傷や痣に触れる度少し痛むけど、痛いことがバレたくなくてグッと奥歯を噛み締めた。
お部屋を出たらやっぱりちょっと怖かったけど、わんちゃんが一緒に歩いてくれたから優咲さんのお部屋まで歩くことができた。
歩いてる途中何度も脚が固くなって止まりそうになったけどその度にわんちゃんが振り向いてくれてゆっくりだったけどしっかり歩けた。
「到着~ここだよ~」
優咲さんのお部屋に入った途端脚に力が入らなくなってストンとその場に座り込んだ。
「頑張ったね。」
後ろから斗真さんが抱きしめてくれた。
わんちゃんも顔を覗き込んでくる。
あ…わんちゃんの紐…持ったままだ…
腕に通した紐を取ろうとするけど手が震えてなかなか外れない…
「大丈夫、大丈夫、」
斗真さんが外して優咲さんに渡してくれた。
僕が紐を持ってたからわんちゃんが離れられないと思ったのに、外した今もわんちゃんは僕の隣に座って顔を見てくる。
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優咲さんがわんちゃん、マルくんの気持ちを教えてくれた。
マルくんを見るとゆらゆらっとしっぽが揺れた。
震える自分の手を見つめているとその上にマルの手が乗る。
…?
上はふわふわだけど下はぷにぷにする、
気持ちよくてずっと触っていたくなる。
初めて触る感触…
片手をあげているのが疲れたのか僕の脚の上に顎を置いて寝そべる。
手を床にそっと下ろし頭を撫でると目を細める。
眠たいのかな?
「マル~まだ寝ないよ~」
優咲さんに言われて大きい欠伸をして優咲さんの元に行く。
「奏くん今から診察頑張れるかな?」
コクリ
そういえば手の震えも治まってる。
脚にも力が入る。
「ベッドとクッションどっちがいい?」
前回と同じくベッドを指さしてベッドに座る。
「まずは、お胸の音聞かせてくれるかな~ちょっとひんやりするよ~」
服の中に手が入って来るのが怖くて体に力が入る。
「だーいじょうぶ、ゆっくーり深呼吸しようね~吸って~、吐いて~、そー、上手。もう1回吸って~、吐いて~、…
胸の音は大丈夫かな~
次後ろ向ける?」
コクリ…
「触るね~」
…コクリ
やっぱり怖くてなかなか力が抜けない。
「マル~」
マルくんがベッドに乗って僕の足元に来てくれた。
「よしよししてあげて~」
ふわふわに触れるとなんだか心が軽くなって肩の力が抜けていった。
「終わったよ~頑張ったね~斗真さんにぎゅーしてもらおうか、」
コクリ…
「おいでー、」
両手を広げ手待ってくれてる斗真さんの胸に飛び込んだ。
斗真さんの匂い、安心したくてたくさん顔を擦り付けた。
「じゃあ次は体見せてほしいから、上の服脱げるかな?」
……コクリ
頷いたものの怖くて裾を持ったまま固まってしまった。
脱がなきゃ…分かってるのに体が言うことを聞いてくれない…
また…黒いものが流れて来ちゃう…
ペロッ
手に温かいものが触れる。
マルくん?
ペロッ
マルくんが手を舐めてくれた。
マルくんの顔には絵の具付いてない。
ゆっくりと見上げるとみんなの顔にも黒い絵の具は付いていなかった。
小さく深呼吸をして、一気に服を脱いだ。
「ありがとう、体見せてね~」
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