186 / 701
186、不安で固くなった奏くん 斗真side
しおりを挟む
いくら奏くんの名前を呼んでも反応しなくなった。
少しでも安心してほしくて、フードで視界を狭くして包み込む。
グーグー
弱い力で胸を押された。
その手は震えていてた。
「大丈夫、怖くないからね。大丈夫、大丈夫」
チュッ
何をしてあげるのが正解か分からず小さな顎をクイッと持ち上げ固く閉じた唇にそっと触れるだけのキスをした。
唇がふぁっと開き、目が合った。
「…ぁ…」
「おかえり、」
「んっ…」
瞬きを繰り返して俺の胸に顔をグリグリ押し付けた。
「……もう1回…」
「良いよ。」
もう一度キスをする。
でも、納得がいかないのか口を尖らせた。
「違う…もっと…」
もっと…多分ディープキスのことを言ってると思うが今は車の中でそろそろ透が戻ってくるし、もしここで勃っちゃったら大変だし…
「うーん、今はちょっと…お家帰ったらしてあげる。」
「…なんで…」
「なんでも、…今から病院頑張ったら何回でもしてあげる。」
「何回でも?」
「うん、何回でも、病院頑張ったご褒美はそれで良い?」
コクリ
「ご褒美」
満足そうに自分の唇を触る。
「可愛いな、頑張ろうな。」
コクリ グリグリ
また顔を擦り付けてきた。
ガチャ
「お待たせ、奏くんの様子どう?」
名前を呼ばれてゆっくりと振り返る。
「俺の事分かる?」
「透さん…」
「よし、声も出てるな。」
わしゃわしゃと頭を撫でてもらって目を細める。
「診察までもうちょっと時間あるけど、車と俺の診察室どっちがいい?」
車の方が精神的に安定してそうだけど、いきなり診察ってのもまた警戒しそうだしな…
「透の診察室で少し慣らしてから行く方がいいかな?」
「そうだな、そうしようか、」
車を降りた途端奏くんは固まって地面を見つめる。
「おいで、抱っこしていこうか、」
抱き上げると服を握りしめてピッタリとくっつく。
鼓動が早くなってる…
「急ごうか、こっち」
透に着いて院内に入る。
人が怖いのか肩に顔を押し付ける。
「着いたよ。ベッドでゆっくりしようか、」
ベッドに下ろそうとしたが服を離してくれなくて抱きしめたまま座った。
診察の時間まであと15分くらいあるけど…それまでには落ち着くかな?
犬に会えるって楽しみにしてたのに、このままじゃ会っても楽しめない。
少しでも安心してほしくて、フードで視界を狭くして包み込む。
グーグー
弱い力で胸を押された。
その手は震えていてた。
「大丈夫、怖くないからね。大丈夫、大丈夫」
チュッ
何をしてあげるのが正解か分からず小さな顎をクイッと持ち上げ固く閉じた唇にそっと触れるだけのキスをした。
唇がふぁっと開き、目が合った。
「…ぁ…」
「おかえり、」
「んっ…」
瞬きを繰り返して俺の胸に顔をグリグリ押し付けた。
「……もう1回…」
「良いよ。」
もう一度キスをする。
でも、納得がいかないのか口を尖らせた。
「違う…もっと…」
もっと…多分ディープキスのことを言ってると思うが今は車の中でそろそろ透が戻ってくるし、もしここで勃っちゃったら大変だし…
「うーん、今はちょっと…お家帰ったらしてあげる。」
「…なんで…」
「なんでも、…今から病院頑張ったら何回でもしてあげる。」
「何回でも?」
「うん、何回でも、病院頑張ったご褒美はそれで良い?」
コクリ
「ご褒美」
満足そうに自分の唇を触る。
「可愛いな、頑張ろうな。」
コクリ グリグリ
また顔を擦り付けてきた。
ガチャ
「お待たせ、奏くんの様子どう?」
名前を呼ばれてゆっくりと振り返る。
「俺の事分かる?」
「透さん…」
「よし、声も出てるな。」
わしゃわしゃと頭を撫でてもらって目を細める。
「診察までもうちょっと時間あるけど、車と俺の診察室どっちがいい?」
車の方が精神的に安定してそうだけど、いきなり診察ってのもまた警戒しそうだしな…
「透の診察室で少し慣らしてから行く方がいいかな?」
「そうだな、そうしようか、」
車を降りた途端奏くんは固まって地面を見つめる。
「おいで、抱っこしていこうか、」
抱き上げると服を握りしめてピッタリとくっつく。
鼓動が早くなってる…
「急ごうか、こっち」
透に着いて院内に入る。
人が怖いのか肩に顔を押し付ける。
「着いたよ。ベッドでゆっくりしようか、」
ベッドに下ろそうとしたが服を離してくれなくて抱きしめたまま座った。
診察の時間まであと15分くらいあるけど…それまでには落ち着くかな?
犬に会えるって楽しみにしてたのに、このままじゃ会っても楽しめない。
74
お気に入りに追加
833
あなたにおすすめの小説
ホントの気持ち
神娘
BL
父親から虐待を受けている夕紀 空、
そこに現れる大人たち、今まで誰にも「助けて」が言えなかった空は心を開くことができるのか、空の心の変化とともにお届けする恋愛ストーリー。
夕紀 空(ゆうき そら)
年齢:13歳(中2)
身長:154cm
好きな言葉:ありがとう
嫌いな言葉:お前なんて…いいのに
幼少期から父親から虐待を受けている。
神山 蒼介(かみやま そうすけ)
年齢:24歳
身長:176cm
職業:塾の講師(数学担当)
好きな言葉:努力は報われる
嫌いな言葉:諦め
城崎(きのさき)先生
年齢:25歳
身長:181cm
職業:中学の体育教師
名取 陽平(なとり ようへい)
年齢:26歳
身長:177cm
職業:医者
夕紀空の叔父
細谷 駿(ほそたに しゅん)
年齢:13歳(中2)
身長:162cm
空とは小学校からの友達
山名氏 颯(やまなし かける)
年齢:24歳
身長:178cm
職業:塾の講師 (国語担当)
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
少年野球で知り合ってやけに懐いてきた後輩のあえぎ声が頭から離れない
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
少年野球で知り合い、やたら懐いてきた後輩がいた。
ある日、彼にちょっとしたイタズラをした。何気なく出したちょっかいだった。
だがそのときに発せられたあえぎ声が頭から離れなくなり、俺の行為はどんどんエスカレートしていく。
風邪ひいた社会人がおねしょする話
こじらせた処女
BL
恋人の咲耶(さくや)が出張に行っている間、日翔(にちか)は風邪をひいてしまう。
一年前に風邪をひいたときには、咲耶にお粥を食べさせてもらったり、寝かしつけてもらったりと甘やかされたことを思い出して、寂しくなってしまう。一緒の気分を味わいたくて咲耶の部屋のベッドで寝るけれど…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる