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182、大きな一歩 斗真side

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泣き腫らした目で見つめる奏くんは子どもの顔をしていた。

「おいで、」

手を広げると迷わず飛び込んでくる奏くん、再会した日は考えられなかった光景だろうな。

たくさん泣いてスッキリした顔をしている奏くんは俺をじっと見つめる。

「どうした?」

「………ありがとう…」

「え?何が??」

「……っ……捨てないでくれて……ありがとう…」

捨てないでくれて…今までの俺ならそんなことを考えさせてしまっていたのかと、自分を責めたかもしれない。
けど、今は違っていた。
奏くんにとって捨てない。
そう信じることができたってこと、凄い大きな一歩だ。

嬉しくてもう一度抱きしめる。

「こちらこそ、俺と一緒にいてくれてありがとう。」

「好き…」

「うん、俺も大好きだよ。」

///…コクリ…コクリ

耳まで真っ赤にしながら何度も頷いた。

「やっぱり奏くんは可愛いな、」

照れてる顔が見たくて顎を持ち上げる。

「っ!…ッ!」

可愛くてつい唇で触れてしまった。

驚いた奏くんは口をパクパクさせながら顔をもっと真っ赤にさせていく。
こういうとこが初々しくて可愛いんだよなー
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