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181、優しさは経験から 斗真side
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起きてすぐ過呼吸を起こした。
悪夢を見たのかと思ったけど、そうじゃないらしい、全身に力が入ってカチカチになっていた。
奏くんは自分のストレスに気づいていない、もしくは自分を守るため気づかないフリをしている。
けど、体は正直でストレスが症状として現れているのかな、現に今も声が出なくなってるんだろうな。
ストレスの原因は一つや二つじゃないんだろうな。
俺の肩にもたれかかってぼーっとどこかを見つめる奏くんの頭にそっと手を置いて考える。
こうやって手を当てたら奏くんの辛さを俺が吸えたらいいのにな…
俺が考えられるだけでも奏くんのストレスはいくつも思いつく。
大きな環境の変化
存在意義が明確じゃないこと
裏切られる不安
自己肯定感の低さからくる苦痛
フラッシュバック
トラウマ
…もっともっとあるんだろうな。
奏くんは今までの環境を他人のせいにはしなかった。
全部自分が悪いと思い込んで自分を責めてその苦痛も全部心に閉じ込めて鍵を閉めた。
まだこんなに小さいのにどれだけ大きい物を背負ってきたんだ…
もう…十分頑張ったよ。
一生分の苦痛をもう味わったよ。
これ以上自分を傷つけないで…
クイクイ
?
「ん?ごめんな、ちょっと考え事、」
:大丈夫、大丈夫
口パクでそう言いながら俺の頭を優しく撫でる。
なんでお前は俺に優しいんだよ…
俺より自分に優しくしろよ…
俺に向けられた優しさに胸がギューっとなって大粒の涙が奏くんの手を濡らす。
「ごめん、俺はもう大丈夫だから。ありがとう。」
俺より奏くんの方が何倍も辛いのに…
奏くんの方が泣きたいはずなのに…
我慢できなくて奏くんを抱きしめ背中をさする。
どうして俺が泣いているのかも抱きしめられてるのかも分からない奏くんは戸惑いながらも俺の背中手を回した。
昔、聞いた事がある。
『辛い経験をした人ほど優しい人になれる。』
奏くんは辛かった時にこうやって「大丈夫」って頭を撫でてほしかったのかな。
すぅー、はぁー、
深呼吸を1つして奏くんの頭に手を当てる。
「大丈夫、大丈夫、」
今更遅い…そう思われるかもしれないけど、それでも、
「…斗真…さん…」
「っっ…ッっん……っ…ぅ…」
奏くんは糸が切れたように大粒の涙を流し、肩から腹まで体を倒し泣き崩れた。
泣きたいだけ泣いたらいい、
涙は辛い気持ちを流してくれる。透の言葉の意味を理解し自然とそう思えた。
悪夢を見たのかと思ったけど、そうじゃないらしい、全身に力が入ってカチカチになっていた。
奏くんは自分のストレスに気づいていない、もしくは自分を守るため気づかないフリをしている。
けど、体は正直でストレスが症状として現れているのかな、現に今も声が出なくなってるんだろうな。
ストレスの原因は一つや二つじゃないんだろうな。
俺の肩にもたれかかってぼーっとどこかを見つめる奏くんの頭にそっと手を置いて考える。
こうやって手を当てたら奏くんの辛さを俺が吸えたらいいのにな…
俺が考えられるだけでも奏くんのストレスはいくつも思いつく。
大きな環境の変化
存在意義が明確じゃないこと
裏切られる不安
自己肯定感の低さからくる苦痛
フラッシュバック
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…もっともっとあるんだろうな。
奏くんは今までの環境を他人のせいにはしなかった。
全部自分が悪いと思い込んで自分を責めてその苦痛も全部心に閉じ込めて鍵を閉めた。
まだこんなに小さいのにどれだけ大きい物を背負ってきたんだ…
もう…十分頑張ったよ。
一生分の苦痛をもう味わったよ。
これ以上自分を傷つけないで…
クイクイ
?
「ん?ごめんな、ちょっと考え事、」
:大丈夫、大丈夫
口パクでそう言いながら俺の頭を優しく撫でる。
なんでお前は俺に優しいんだよ…
俺より自分に優しくしろよ…
俺に向けられた優しさに胸がギューっとなって大粒の涙が奏くんの手を濡らす。
「ごめん、俺はもう大丈夫だから。ありがとう。」
俺より奏くんの方が何倍も辛いのに…
奏くんの方が泣きたいはずなのに…
我慢できなくて奏くんを抱きしめ背中をさする。
どうして俺が泣いているのかも抱きしめられてるのかも分からない奏くんは戸惑いながらも俺の背中手を回した。
昔、聞いた事がある。
『辛い経験をした人ほど優しい人になれる。』
奏くんは辛かった時にこうやって「大丈夫」って頭を撫でてほしかったのかな。
すぅー、はぁー、
深呼吸を1つして奏くんの頭に手を当てる。
「大丈夫、大丈夫、」
今更遅い…そう思われるかもしれないけど、それでも、
「…斗真…さん…」
「っっ…ッっん……っ…ぅ…」
奏くんは糸が切れたように大粒の涙を流し、肩から腹まで体を倒し泣き崩れた。
泣きたいだけ泣いたらいい、
涙は辛い気持ちを流してくれる。透の言葉の意味を理解し自然とそう思えた。
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