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159、嫌われたくない、そのために 透side

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奏くんの目が見えなくなるのは精神的負担によるものか、やっぱり顔だけが見えてないか…

どうしようかな…
痛みが無くなるとフラッシュバックが起こるとは思っていたけどもう起きてるんだな…


「嫌われたくない…」

え?
小さな声でそう呟いた。

嫌われたくない?
斗真にかな?

「斗真は奏くんのこと嫌ったりしないよ。」

フルフル

斗真じゃないのか?

「…これからのこと……」

今は嫌われていなくてもいつか嫌われるって思っているのか、

「どうしてそう思うの?」

「…だって…っ…」

言いたいくないのか言葉を詰まらせる。
じっと奏くんの言葉を待つ。




「僕が…………ちゃんとできないから…」

「ちゃんとできない?」

「斗真さんの期待に応えられない…」

「期待か、斗真はどういうのを望んでると思う?」

「………分かんない……分かんないから応えられないの……」

「そっか、」

「斗真さんは僕に命令しない。
痛いことも、セックスもしない。

じゃあ…じゃあ何したらいいの……っぅ…っ…」

「そっか、辛かったね、」

両手広げて抱きしめたが必死に涙を堪えて言葉を続ける。

「っ…どんな僕を求めてるかが分かんないから…どうしたら嫌われないかが分かんない…このままじゃ……斗真さんもお父さんとお母さんみたい変わっちゃう…っん…斗真さんに『役立たず』って言われたくない。」

「そっか、傷つくこと言われたくないね。」

「僕…ちゃんとできるのっ、殴ってもいいし、痛いこともちゃんと泣かずに我慢できるの、お金もちゃんと持ってこれるの。
斗真さんが僕の声が嫌いならちゃんと黙ってられるし、邪魔なら隅でじっとしてられる。
ちゃんと、ちゃんと僕できるのっ!
できる…できるから……っだから…だから…嫌わないで…」

「はぁー、大丈夫大丈夫、斗真、聞いてるんだろ?入っていいよ、」

奏くんが大きい声で話だした時廊下を歩く足音が聞こえた。
多分心配になって様子を見に来たのだろう。

「ごめん、盗み聞きするつもりじゃなかったんだけど…ごめん。」

「良いよ。どこから聞いてた?」

「えっと…奏くんがちゃんとできるって言ったとこから、」

「奏くん、俺に話してくれたこと斗真に教えても良いかな?」

……フルフル…

「斗真は絶対に怒ったりしないよ?大丈夫、もし斗真が奏くんに嫌なことしたら俺が止めるから。それならいい?」


……コクリ
少し悩んでから承諾してくれた。
多分伝えることによって斗真に嫌われるかもしれないって思っているのだろう。
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