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126、動かない奏くん 斗真side

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「できるだけ傍に居てあげて、」
そう透に言われずっと抱きしめて入るけど状況は変わらない。

寝てるのかと思って何度か顔を見たが目は開いている。

もしかしてずっとこのまま…なんて考えたくないことばかりが頭をよぎる。

どうして…
何が奏くんをこうさせたんだ…

熱は微熱のままだし…

どうしたらいいんだよ、


「朝ごはん食べたか?」

「まだだけど、要らない。」

「飯は食わなきゃダメだ。少しでもいいから、」

「腹減ってない。」

「斗真、昨日も言ったよな。お前が倒れたれ奏くんはどうなるんだって、考えたら分かるだろ。少しでもいいから食べろ。これは命令だ。」

いつも優しい透がいつになく厳しい顔をしていた。

本当にお腹は空いてなかったけどそう言われて渋々席に着いた。

「ヨーグルトなら食えるか?」

「うん、ありがとう。…いただきます。」

奏くんを膝に乗せたままヨーグルトを流し込む。


「ごちそうさまでした。」


「奏くんもお腹空いてるかな。」

スプーンに少量の水を入れ、口に垂らす。
口は動かない。

少し待ってみたが、口端から溢れ出た。

「難しいかぁ、」
口元を拭きながら透は呟く。

奏くんには明るく接してるけど見たことないくらい真剣な顔をしている。

それだけ重症ってことだよな…





俺はこんな時も抱きしめることしかできないのかよ…
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