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113、熱…ちがう… 奏side
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目が覚めた時、隣にいると思ってた斗真さんが居なかった。
それに気づいた途端不安が一気に襲ってきて、斗真さんが近くにいてくれてるって気付いたら安心とさっきまでの恐怖で大泣きしてしまった。
それから斗真さんが傍を離れようとするとさっきの不安が蘇る。
「斗真さん…行っちゃヤ…」
斗真さんがどこかに行こうとする度に服を掴んでついて行く。
「トイレ行くだけだよ。」
「…ゃ…」
「じゃあ扉の前で待ってて、」
コクリ
斗真さんと手を繋いでトイレに行く。
「待っててね。」
コクリ
「おまたせ、」
コクリ
「奏くんはトイレ大丈夫?」
コクリ
「じゃあ戻ろっか、」
コクリ
また斗真さんと手を繋いでリビングに移動する。
リビングに着いてソファーに座ろうとしたその時。
グラッ
視界が揺れ思わずソファーに手をかけ体を支える。
「大丈夫?!」
え…今の…何?。
一瞬目の前が揺れて転びそうになった。
「どうした?しんどい?気持ち悪いとかある?」
フルフル
首を振って大丈夫と伝える。
それでも斗真さんは必要以上に大丈夫かと聞いてくる。
「だいじょうぶ、」
「本当に?目眩かな…今はクラクラしない?」
「だいじょうぶ」
「うーん、しんどかったらちゃんと教えてね。」
コクリ
「一応熱測っとこうか、」
「熱ない…」
熱を測るのは嫌い…っというより、怖い…
もし熱があったら、そう考えるだけで今までの記憶が蘇ってきて息が苦しくなる。
「大丈夫だよ。一応ね、まだ病み上がりだからちょっとしんどいだけだと思うよ。」
斗真さんに熱を測られてる間必要以上に体に力が入ってしまう。
熱ない…熱ない…熱ない…
自分に言い聞かせるように何度も繰り返す。
ピピピ、
「37.5…うーん、微熱か…」
「え…熱…ちがう…ちがう…違う!熱違う!やだ…や…」
「奏くん?!大丈夫、大丈夫、ちょっと高いだけだよ。大丈夫、大丈夫、」
「熱ない…熱ないの…ゃ…やだ…やだ…ごめん…なさい…ごめんなさい、ごめんなさい」
「奏くん、大丈夫、大丈夫だよ。大丈夫、大丈夫、」
目の前にいるのは斗真さん、
斗真さんは痛いことをしない。
分かってる。
頭では分かってるけど、体が拒絶をして恐怖が頭の中を支配する。
斗真さんに抱きついて安心したいのにガクガク震える体は言うことを聞かず、まだ殴られてないのに身体中が痛くて仕方がない。
頭を抱えてしゃがみ込む。
殴られない、蹴られないって分かってるのに、これまでに刻み込まれた習慣から無意識に体を守ってしまう。
変な汗や涙が一気に溢れ出し、口からは「ごめんなさい」が止まらない。
もう嫌だ。
目の前に誰がいるのか、何処にいるのか、どうしたらいいのか、自分でも何が何か分からなくなってしまった。
触れられる度に体に力がこもって震えが増す。
もう…嫌…
「大丈夫、大丈夫っ「っぁああああああああああああああああ!!」」
「奏くん?!大丈夫、大丈夫、落ち着いて、大丈夫だよ。怖くないよ。」
もう訳が分からなくて感情を抑えられなくなって思いのままに叫んだ。
それに気づいた途端不安が一気に襲ってきて、斗真さんが近くにいてくれてるって気付いたら安心とさっきまでの恐怖で大泣きしてしまった。
それから斗真さんが傍を離れようとするとさっきの不安が蘇る。
「斗真さん…行っちゃヤ…」
斗真さんがどこかに行こうとする度に服を掴んでついて行く。
「トイレ行くだけだよ。」
「…ゃ…」
「じゃあ扉の前で待ってて、」
コクリ
斗真さんと手を繋いでトイレに行く。
「待っててね。」
コクリ
「おまたせ、」
コクリ
「奏くんはトイレ大丈夫?」
コクリ
「じゃあ戻ろっか、」
コクリ
また斗真さんと手を繋いでリビングに移動する。
リビングに着いてソファーに座ろうとしたその時。
グラッ
視界が揺れ思わずソファーに手をかけ体を支える。
「大丈夫?!」
え…今の…何?。
一瞬目の前が揺れて転びそうになった。
「どうした?しんどい?気持ち悪いとかある?」
フルフル
首を振って大丈夫と伝える。
それでも斗真さんは必要以上に大丈夫かと聞いてくる。
「だいじょうぶ、」
「本当に?目眩かな…今はクラクラしない?」
「だいじょうぶ」
「うーん、しんどかったらちゃんと教えてね。」
コクリ
「一応熱測っとこうか、」
「熱ない…」
熱を測るのは嫌い…っというより、怖い…
もし熱があったら、そう考えるだけで今までの記憶が蘇ってきて息が苦しくなる。
「大丈夫だよ。一応ね、まだ病み上がりだからちょっとしんどいだけだと思うよ。」
斗真さんに熱を測られてる間必要以上に体に力が入ってしまう。
熱ない…熱ない…熱ない…
自分に言い聞かせるように何度も繰り返す。
ピピピ、
「37.5…うーん、微熱か…」
「え…熱…ちがう…ちがう…違う!熱違う!やだ…や…」
「奏くん?!大丈夫、大丈夫、ちょっと高いだけだよ。大丈夫、大丈夫、」
「熱ない…熱ないの…ゃ…やだ…やだ…ごめん…なさい…ごめんなさい、ごめんなさい」
「奏くん、大丈夫、大丈夫だよ。大丈夫、大丈夫、」
目の前にいるのは斗真さん、
斗真さんは痛いことをしない。
分かってる。
頭では分かってるけど、体が拒絶をして恐怖が頭の中を支配する。
斗真さんに抱きついて安心したいのにガクガク震える体は言うことを聞かず、まだ殴られてないのに身体中が痛くて仕方がない。
頭を抱えてしゃがみ込む。
殴られない、蹴られないって分かってるのに、これまでに刻み込まれた習慣から無意識に体を守ってしまう。
変な汗や涙が一気に溢れ出し、口からは「ごめんなさい」が止まらない。
もう嫌だ。
目の前に誰がいるのか、何処にいるのか、どうしたらいいのか、自分でも何が何か分からなくなってしまった。
触れられる度に体に力がこもって震えが増す。
もう…嫌…
「大丈夫、大丈夫っ「っぁああああああああああああああああ!!」」
「奏くん?!大丈夫、大丈夫、落ち着いて、大丈夫だよ。怖くないよ。」
もう訳が分からなくて感情を抑えられなくなって思いのままに叫んだ。
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