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112、どこが痛い? 斗真side

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そろそろ奏くんのとこに戻ろう。
起きた時一人だったらまた泣いてしまうかもしれない。

起こさないようそっとドアを開ける。

まだ寝てる。
気持ち良さそうな顔、

椅子に座って寝顔を眺める。

「ん~、」

寝返りをうちながら布団を撫でる。

っ!

いきなり体を起こし辺りを見渡す。

「奏くん?」

「っ…あ……」

目が合った途端勢いよく飛びつこうとしてくる。

危ないっ!
ベッドから落ちそうになる体を支える。
どこも怪我してないか?

「っ…ん…んぁあああああ」

「どこか痛い?」

怪我したとこを探そうとするが奏くんの腕が首に回され見ることができない。

背中を撫でて落ち着くのを待つがなかなか涙は止まらない。

でも、奏くんがこんなに声をあげて泣くなんて珍しい。
よっぽど痛いのかもしれない。

悪い方向に思考は働くがとりあえず奏くんを落ち着かせないことには何も進まない。

「大丈夫、大丈夫、」



「…ん…っ…ぅっ…」

少しずつ落ち着いてきた。

「どこが痛い?痛いとこ教えて、」

フルフル

首を振って教えてくれない。

「ここ痛い?」

ベッドを飛び降りた時に挫いたのかもしれない。足首をさすって問うが首を横に振るばかり。

言いたくないのかな…
言ってくれなきゃ分かんないんだけど…
どうしよう…


「痛い…ちがう…」

「え?」

「痛い…ちがうの…」

「違うの?じゃあ…」

「斗真さん…となり居なかったの怖かったの」


…あ、そういうことか、

「ごめんな、もう大丈夫だからな。」

もう一度優しく抱きしめると肩の力を抜いて顔を擦り付けてくる。
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