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99、俺には何も… 斗真side
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ぼーっとするのが嬉しいか……
それを聞いた途端胸になんとも言えない感情を感じた。
もっと早く奏くんを助けることはできなかったのかな…
今更考えたって仕方がないのにそんなことばかり考えてしまう。
「ご…ごめんなさい…」
「え?」
突然謝られ戸惑ってしまう。
「どうしたの?何かあった?」
「斗真さん…悲しませた…ごめんなさい」
「悲しませた?悲しくないよ。大丈夫、ごめんね。」
「でも……でも悲しい顔…」
あ…また心配させちゃった。
「うーん、実はね、悲しいっていうより悔しいんだ。」
隠したら余計心配させると思ってちゃんと言うことにした。
「悔しい?」
「うん、奏くんはぼーっとしてるのが嬉しいって言ったでしょ。」
コクリ
「何も考えずにぼーっとできない環境にいた奏くんに俺は何もできなかったんだなって思うと悔しくて、」
黙って俯いてしまった。
「ちがう…」
「え?」
「斗真さん助けてくれた。」
「俺が?」
コクリ
「ごはんくれる。」
「それは普通のことで」
「普通違う!!」
ビクッ
初めて奏くんが大きい声を出した。
母さんたちもビックリして奏くんを見ている。
「普通…違う…毎日ごはん3回もくれる。そんなの初めて、普通違う。…熱出ても普通のごはんくれた。びっくりしたけど嬉しかった。だから…だから……普通…違う……」
「そっか、ありがとう。」
ちゃんと自分の気持ちを言う奏くんはしっかりと俺を見ていてしっかりと伝わった。
ぎゅっと抱きしめると肩の力が抜いていくのが分かった。
「斗真さん、ありがとう。」
「うん、こちらこそありがとう。」
「直人さんも美香さんも杏美さんも僕のこと助けてくれた。」
「そっか~そう思ってくれてたら嬉しいわ~ありがとう!」
母さんにも抱きしめてもらって嬉しそう。
「奏くん~おいで~」
杏美のとこまで駆け寄って抱きしめてもらった。
「いいなー、俺ともハグしてくれるか?」
コクリ
「おお!ありがとー」
父さんともハグをした。
この数日で皆とも距離が縮まったな。
それを聞いた途端胸になんとも言えない感情を感じた。
もっと早く奏くんを助けることはできなかったのかな…
今更考えたって仕方がないのにそんなことばかり考えてしまう。
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突然謝られ戸惑ってしまう。
「どうしたの?何かあった?」
「斗真さん…悲しませた…ごめんなさい」
「悲しませた?悲しくないよ。大丈夫、ごめんね。」
「でも……でも悲しい顔…」
あ…また心配させちゃった。
「うーん、実はね、悲しいっていうより悔しいんだ。」
隠したら余計心配させると思ってちゃんと言うことにした。
「悔しい?」
「うん、奏くんはぼーっとしてるのが嬉しいって言ったでしょ。」
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「何も考えずにぼーっとできない環境にいた奏くんに俺は何もできなかったんだなって思うと悔しくて、」
黙って俯いてしまった。
「ちがう…」
「え?」
「斗真さん助けてくれた。」
「俺が?」
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「ごはんくれる。」
「それは普通のことで」
「普通違う!!」
ビクッ
初めて奏くんが大きい声を出した。
母さんたちもビックリして奏くんを見ている。
「普通…違う…毎日ごはん3回もくれる。そんなの初めて、普通違う。…熱出ても普通のごはんくれた。びっくりしたけど嬉しかった。だから…だから……普通…違う……」
「そっか、ありがとう。」
ちゃんと自分の気持ちを言う奏くんはしっかりと俺を見ていてしっかりと伝わった。
ぎゅっと抱きしめると肩の力が抜いていくのが分かった。
「斗真さん、ありがとう。」
「うん、こちらこそありがとう。」
「直人さんも美香さんも杏美さんも僕のこと助けてくれた。」
「そっか~そう思ってくれてたら嬉しいわ~ありがとう!」
母さんにも抱きしめてもらって嬉しそう。
「奏くん~おいで~」
杏美のとこまで駆け寄って抱きしめてもらった。
「いいなー、俺ともハグしてくれるか?」
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「おお!ありがとー」
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